▼ 山田宏杉並前区長政治資金パーティー
 「つくる会」派教委 2人がパーティー券購入

 「新しい歴史教科書をつくる会」編扶桑社版中学校歴史教科書、いわゆる「つくる会」教科書を採用している東京都杉並区で、採択に積極的だった非常勤教育委員二人が、再任直前の二〇〇八年一一月、山田宏区長(当時)後援会主催による政治資金パーティーのパーティー券を購入していた事実が、後援会の内部資料により明らかになった。
 問題の政治資金パーティーは、当時の区長だった山田宏氏の後援会である政治団体「杉並No・1の会」が主催して〇八年一二月八日に区内で開いたもので、内容はジャーナリスト・櫻井よしこ氏の講演など。同会の政治資金収支報告書によれば、一枚二〇〇〇円のパーティー券を九四七枚販売して、約五〇万円の利益を出した。
 筆者が入手したのは、同会のパーティー券購入者リストで、そこに教育委員の大蔵雄之助(現委員長)と宮坂公夫氏の名があった。大蔵氏は〇八年一一月五日付で二〇〇〇円(一枚分)、宮坂氏は同年一一月二〇日付で四〇〇〇円(二枚分)を入金している。

 二人がパーティー券を購入した時期は、四年の任期が切れる直前にあたり、再任の是非をめぐって議会内外で激しい対立があった。山田前区長は一一月二六日に二人を再任する議案を上程、これに反発して公明党をはじめとする議員多数が退席して審議が中断、その後公明党議員が席にもどって採決が行なわれ、混乱の中で再任が可決されたといういきさつがある。
 結局、翌〇九年八月の中学校歴史教科書採択では、大蔵・宮坂両教育委員の強い推薦により、「つくる会」教科書が採択される。
 山田前区長のパーティーが開かれた一二月八日は議会最終日。公明党議員ら多数の区議が出席、山田氏はあいさつの中で教育委員の再任騒動について触れたとされる。大蔵氏らが会場にいたかどうかは不明だ。
 杉並区教育委員の報酬は月額二四万二〇〇〇円から三〇万三〇〇〇円(委員長)で、区長が議会の同意を得て任命する。
   三宅勝久・ジャーナリスト

 『週刊金曜日』(2010/7/30【金曜アンテナ】)
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1259

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