内閣総理大臣 鳩山由紀夫 殿
  法務大臣 景子 殿
  外務大臣 岡田克也 殿
                  2009年10月28日
                  NGO 言論・表現の自由を守る会

< 国際人権規約普及のためのリーフレット活用とその予算化などについての要請 >

 新政権での千葉法務大臣の就任記者会見のご発言は大変心強く、当会上部団体の国際人権活動日本委員会も歓迎声明(別紙)を発表しております。

 当会は、全てのビラ配布弾圧事件の無罪を勝ち取るための活動とともに、国際人権活動日本委員会に加盟し、国際人権規約個人通報制度の1日も早い批准をめざしております。

 この中で日弁連が国際人権規約の普及と活用をめざして07年11月に作成したカラーリーフレットと外務省発行の世界人権宣言50周年パンフを活用してまいりました。

 この取り組みの中で、日本国内での国際人権規約に対する一般人だけではなく専門家の中でもきわめて低い認知度に接し、早期の普及活動とその活用の重要性・緊急性がはっきりと見えてまいりました。

 この日本の人権鎖国状態を一日も早く抜本的に改善するために、自由権規約委員会の日本政府に対する勧告を力に、国際人権規約の普及と個人通報制度の早期批准を要望いたします。

 千葉大臣の就任挨拶で個人通報制度や国内人権機関の設置について記者が全く質問しなかったのも『質問がなかった』のではなく『(国際人権に関する知識がなく)質問できなかった』のではないでしょうか。

 勧告のパラグラフ7では「規約の適用や解釈が裁判官や検事及び弁護士に対する専門研修として持たれ、そして規約の情報が下級審を含む全てのレべルの司法に広まるように保証せよ」とあり、警察・検察・裁判所・司法界での教育は最重要課題であると考えます。

 その実現のためにも、世界人権宣言の精神から規約が正しく理解されるよう、マスコミをはじめ専門家を含む全ての国民を対象に、教育と情報を発信することがきわめて重要だと考えます。その際に日弁連の「国際人権(自由権)規約委員会第5回政府報告書審査をふまえて 改革迫られる日本の人権保障システム 個人通報/国内人権機関/死刑/代用監獄/女性・少数者差罰」が参考書として最適と考えられます。

 このパンフレットには多岐にわたる人権問題と勧告全文が23ページにまとめられており、写真入で見やすく簡潔平易な文章で、若者も関心を持って読みこなせると思います。これとともに日弁連が07年11月に作成した個人通報制度のリーフレットもセットにすると理解がより深まると思います。これをまず、国会議員や全国各都道府県市町村の全ての議員、人権擁護委員、全ての国家公務員と地方公務員に配布することは、来年度の予算化を待たずしてすぐにでも可能な事ではないでしょうか。

 一刻も早い国際人権規約の実現をめざし、ぜひ政府はこの普及活動を予算化することにより、関係NGOの活動を支援し、日弁連の全面的な協力を得ながら日本国内における国際人権規約の一刻も早い実現に取り組まれることを要請いたします。

1 国際人権規約の普及と個人通報制度の早期批准

2 日弁連作成のパンフレット「国際人権(自由権)規約委員会第5回政府報  告書審査をふまえて 改革迫られる日本の人権保障システム 個人通報/  国内人権機関/死刑/代用監獄/女性・少数者差罰」と、07年11月に作成した  個人通報制度のリーフレットを活用した普及活動の予算化。

3 関係NGOの活動支援と、国連文書の即時翻訳のための体制づくりなどの   予算化。
                               以上