国際食料政策研究所(IFPRI)など世界の研究、援助団体は14日、2009年の世界飢餓指数(GHI)を発表しました。

 GHIは世界全体では1990年の20・0から09年には15・2に改善されていますが、サハラ以南アフリカや南アジアの29カ国では、警戒レベルを超えていることが明らかになりました。

 報告書は「世界の貧困とのたたかいは、数十年にわたり遅々とした進展しか見せず、最近の事態の中で栄養失調状態の人々の数が上昇している。現在の食糧危機と世界的な景気後退は、食料安全保障と貧困者の生活をさらに破壊してきた」と指摘しました。

 09年の指数は、サハラ以南アフリカ、南アジアはそれぞれ22・1,23・0という高さです。なかでも両地域の13カ国では指数が上昇。コンゴ民主共和国では25・5から39・1に、ブルンジでは32・2から38・7に上昇しました。
 両地域の指数が高いのは子どもの栄養失調が広がっているためです。とくにバングラデシュとインドでは、低体重児が40%以上に達していると報告されています。

 これに対し、顕著な改善を見せているのはベトナム、ブラジル、サウジアラビア、メキシコなど。ベトナムは24・8から11・3に半減させました。

 報告は、女性の教育や政治的権利、経済への参加が向上している国では指数が改善されていると述べています。