NNNドキュメント09 
法服の枷
沈黙を破った裁判官たち 

放送時間 : 9月13日(日)24:50~
語り : 中里 雅子
制作 : 中京テレビ
再放送 : 9月19日(土) 24:00~



予告動画
http://www.dai2ntv.jp/player/index.html?corner_id=000001167z

http://www.ntv.co.jp/document/



 「裁判所という大きな組織、その中で出世を重ねるには上司に気に入られなければならない。
 幾つかの事件では真実は消え、被告人は泣いた」これは36年前、初めて「自衛隊の憲法九条違反」を認定した福島重雄さん(78)の日記だ。

 判決後、再び裁判長の椅子に座ることはなく、小さな家庭裁判所で退官の日を迎えた。

 「最高裁の人事制裁だったのだろう」と振り返る。

 1人が年間300件もの裁判を抱えることもあるという現状。

 「裁判が効率化し、官僚化する裁判官たち。その多くが良心と保身との狭間で葛藤している」と語る元裁判官もいる。

 市民参加の「裁判員制度」が始まり、“開かれた”と盛んにアピールされる反面、依然、“閉鎖的”との印象が拭えない現実を検証する。



 昨年4月、名古屋高裁で自衛隊のイラク派兵を憲法違反とする判決が出ましたが、35年前にも札幌地裁「長沼ナイキ訴訟判決」で、史上初の『自衛隊違憲判決』が。この裁判長は福島重夫さん(79)。

今回の番組では、福島さんが任官前からつけてきた50冊の日記帳が紹介。

全国の裁判官の人事は最高裁判所が決める。

 長沼判決の後、福島さんは裁判長の職を解かれてしまい、地方の家庭裁判所などを回らされた。

明白な懲罰左遷人事。

彼の日記の中で福島さんは自らの裁判官生活について「相手は原告でも被告でも政治権力でもなかった。司法行政との、裁判所との闘いであった」と述懐。

 安部晴彦さんという元裁判官も登場し、選挙の戸別訪問について最高裁の判例と違う判決を出したため、あらゆる差別を受けたと告白。

裁判所のこの空気の中で国家・司法権力の意に反する判決が出るはずもない。

今、多くの人々が、日本の政治のおかしさとともに警察・検察・裁判所がおかしいことに気付き始めています。

 裁判所の民主化が急がれていることがよく分かる番組に。

 深夜の放送のため、録画などしてどうぞ!