こんにちは。
ウェディングマザーの小沼です。
私が結婚式の仕事に触れてから既に35年近くが経ちます。
元々は学生時代にお友達に誘われ始めた配膳会。
赤坂のPホテルがデビューの場所だったような記憶があります。
まさかプロとしてウェディングの仕事に携わるとはその頃は思ってもみませんでしたが、今では自他共に認める【天職】と思っています。
結婚式というとホテルか専門式場で行うのが当たり前。
百貨店などに結婚式場のご案内をするデスク(エージェント)があり、多くの方々がそのエージェントを訪れていた時代。
媒酌人は必須、時にはダブル媒酌人やプロの媒酌人夫妻を雇用していた。
媒酌人夫妻とお父様お母様、そして新郎新婦が会場入り口で迎賓を行いお迎えをする。
新婦は白無垢で迎賓後は色打掛へとチェンジして入場。
引出物は風呂敷で包まれていた。
そんな時代から、ゼクシーが登場して、クローズドマーケットであったブライダル業界がオープンマーケットへと変化し、エージェント(会場紹介をしていた会社)が消えていった。
そして、ゲストハウスの火付け役が登場して、一大ブームに。ゲストハウスが登場してもうすぐ20年。
ターゲットは社会経験が少なく、ビジュアルで訴求できる、20代半ば位までの御新郎御新婦がメインでしょう。
その後、レストラン・料亭が披露宴の会場として参画。 様々な企業がアイテム提供として業界に流れ込んできました。
○○婚というものが多数出現して、破格値での結婚式を提案。
結婚式は高いという概念を崩す一役を担ったわけですが、価格なりのものとなるのは当然のことであり、会場が提案するプロパーのクオリティとは当然ことなり、色々と問題が。。。
そして3年程前からは、フリーランスのプランナーがブームになりそうになりましたが、これもまた難しく。私達のように10年程前からフリーという立場で動いていた人とは異なり、会場やプランニング会社勤務をしていて、お辞めになったドロップアウト組もちらほらと。
そこでまた、問題が発生したり・・・
広告掲載も会場がターゲットではなく、プランナーはじめフリーランスで活動している方々へのアプローチをするところも出てきているが、個人は先行投資が出来る金額も大きくはなく負担になってしまう。もともと、広告などを出さずに口コミなどでご紹介頂きランニングコストを削減してお客様へ価格還元を行っていたのです・・・しかし、急激にフリーランスの方が増えたので業界としても考えることが多々出てきたわけですね~
結婚式は基本未体験で普段触れることのないもの。
社会経験が少ないM1F1層がメイン顧客。 彼等を何も知らないからと乱暴に扱い、無謀なビジネスをしてしまった多くの企業。 そして、経済や社会状況の変化も伴い、【結婚式の価値や意義】が解らないという方々が多く生み出されてしまったのです。
結婚式の価値を下げてしまったのは、紛れもなく乱暴な事をしてきたウェディング業界そのものでもあるのです。
年間60万組あまりの方々が結婚はしているけれど、約半数の30万組の方は結婚式を挙げていない。
式を行っている30万組の方々もカジュアルであったり少人数であったり・・・と考えると、どれ程の方がお世話になった方々をきちんとお招きして、挙式・披露宴という結婚式を行っているのでしょうか?と思ってしまいます。
結婚式を挙げた方は皆様やはり、『やってよかった!!』と心から思って下さるようです。
どれだけ多くの方々にお世話になり、支えて頂いてきたかをしみじみと感じるようです。 そして、最高に幸せと・・・
皆様にお披露目することで、気持ちの上でのけじめがしっかりとついたり、責任感が生まれたりという意義も。
そして準備段階に於いては、人への心遣いであったりマナーであったり人間関係であったり、様々なことを学んでいくのです。
そんな大切で素晴らしい【結婚式】の価値が下がってしまっています。
【結婚式】そのもののブランディングが必要な時代が来てしまいました。
結婚式をすることが珍しい時代にならないように、素晴らしさを伝えていかなくては・・・
そんな風に思うのです。