自分に、自信がなくて
人の視線を避けたいとき
そんなとき
人は 下を向く
自分の足元を見ながら
誰とも目を合わせないように
そうして
自分の心を 必死に守る
誰かに見透かされるのが怖くて
誰かを羨ましく思う自分が嫌で
下を向いていれば
とりあえず
視界に映るのは 自分だけ
自分だけの世界に
閉じこもっていられるんだ
だけど
堅く閉ざしたはずの心に
ふと 入り込んでくる
花の色と 風の香り
さわさわ揺れて
「下を向くなら
わたしを見て?」
と、孤独なわたしに囁いて
言葉では 何も語らない
だけど 自然は
ただそこに居て
ただ寄り添ってくれる
人といるのが怖いとき
下を向いていても
彼らは、いる
手入れの行き届いた
綺麗な花壇じゃなくても
きっと何処にでも
彼らは、いるんだ
足元を見て歩いていたら
そんなことに、気付けるよ
ちょっとだけ
下を向くのに飽きてきたら
上を向いて 歩けばいい
ぽっかり浮かんだ雲の白と
どこまでも広がる空の青と
立ち止まってる その間に
ゆっくりゆっくり 進んでく
ふうわり ふわり
下ばかりを見ていたら
気付かないような
穏やかな空
ときどき
泣き顔を見せたり
膨れっ面も見せるそれは
まるで
わたしの心みたい
この空の下
誰かも 同じことを
想ってるのかもしれないね
上を見るのも
下を見るのも
普通に物事を見るのに
ちょっぴり飽きてしまったら
いつもと違う視点で
眺めてみれば
少しだけ
面白い景色が
広がっているかもしれない
今まで見えなかった世界が
そこにはあるかもしれない
見ようとしなかっただけ
見えていなかっただけ
そんな景色が
わたしの周りには 溢れている
世界の色は 決まっていない
どんな彩りをしているのか
決めるのは、わたし
わたしだけの色で
この世界のキャンバスを
塗りつぶしてみたいって
そう、思うよ
いつも同じ視点じゃなくて
ちょっとずつ、視点を変えながら
鮮やかな景色を
君と いっしょに



