切迫早産入院(26週〜)から前期破水(32週0日)を経て、

 

32週6日の早産で産まれた娘。

 

2週間ほどNICUでお世話になり、その後GCUへ移って生後1ヶ月ちょっとで退院した。

 

その後、生後10ヶ月経っても腰が座らない、ということで1歳1ヶ月にMRI検査を受けPVL(脳室周囲白質軟化症)による脳性麻痺と診断された。

 

それまでは、助産師さんや保健師さんからごく普通のアドバイスを受けながら育ててきたわけだけど、そんな中で感じた違和感がいくつかあった。

 

今振り返ると、どれもこれもPVLのために筋力が弱いことが原因だったんだな、と理解できること。

 

でも、当時は原因が分からず、周囲のアドバイスどおりに頑張らなきゃと空回りしたり、睡眠不足なのにさらに睡眠削って検索魔になって悶々としたり。

 

私が気づいたのは、赤ちゃんは常にベストを尽くしているから、それ以上を求める必要は無かったんだなと。

 

毎日一緒にいる家族だから気付けることはあると思う。

 

そんなときは、一般論よりも赤ちゃんに合わせてあげるほうが、お互い楽になることもあるんじゃないかと。

 

そう気づけたのは、赤ちゃん期をすっかり過ぎて何年も経ったあとのこと。
 

直母でたくさん飲めない

私の最初の試練。直母練習。

 

2ヶ月の切迫早産の寝たきり生活ですっかり筋力は落ち、出産後のヘロヘロな状態ではじまったNICU通い。

 

自宅に戻ってもひたすら搾乳、搾乳機の消毒、と。修行のような日々。私は母乳がたくさん出るタイプではないので、時間をかけて一滴でもたくさん絞らなきゃと必死で、乳首を傷つけてしまったり。

 

生後0ヶ月 GCUの小さな哺乳瓶

 

退院と同時に買いに走ったメデラの電動搾乳機をメインに、あとは手で頑張った搾乳。

コレ、出産後に買ってよかったものナンバーワン!

 

保育器の娘は最初は経管で栄養をもらってぐんぐん大きくなり、哺乳瓶から飲めるようになった頃、NICUで直母練習が始まった。

 

私の乳首は飲みにくい形だそうで、乳頭保護器をすすめられた。

 

ハードタイプとソフトタイプ両方買ってみたけど、うまく使えたのはPigeonのソフトタイプだった。

 

直母練習で飲めたのは、4gとか6gとかあればいいほう。チュウチュウ頑張って吸っても0gなんてザラ。

 

最初だからこんなものかな?と思っていたけれど

 

GCUに移って、周囲の赤ちゃんの様子をみると、直母で60gとか飲んでいる子がいて衝撃を受けた。

 

娘は哺乳瓶ではごくごく飲めるけれど、直母だけは15分くらい長々と頑張っても10gとか。

 

直母練習をすると私も娘もぐったり。

 

母乳育児を推進しているところだったので、とにかく直母!搾乳!

 

小さく産まれたんだから、母乳でたくさん免疫あげなきゃ、と言われていた。

 

早産の罪悪感に追い打ちをかける母乳信仰。たくさん出るタイプの人は良いのだろうけど...

 

退院後は、訪問の助産師さんに定期的に来てもらい、母乳のためのマッサージやアドバイスをもらった。

 

「たくさん吸わせたら、たくさん出るようになるから!」

 

なるべくマメに直母をしつつ、搾乳をあげたりミルクをあげたりしていたけれど、娘にとって直母はとにかく疲れるようで、だんだん嫌がるようになってしまった。

 

弱い力でも飲める哺乳瓶が大好きな娘。

 

今思えば、筋力が弱いので唇も吸う力も弱く、頑張ってもたくさん飲めないのが辛かったと思う。

 

娘が嫌がっているのに、私はとにかく吸わせなきゃ!と頑張ってしまった。

 

「身体が大きくなり筋力がついてくれば自然に飲めるようになる」と言われたけど

 

生後3ヶ月、4ヶ月と身体が大きくなっても、上手にたくさん飲めない。

 

何がいけないんだろう?

 

娘が寝ている時間は、どうやったら母乳が出るか、赤ちゃんが上手に飲めるようになるか検索ばかり。

 

生後10ヶ月になると外出する場面も増えて、搾乳も大変になってきたし離乳食も順調だったし、

 

母乳とミルク半々だった生活を、ミルク中心に切り替えた。

 

やっと母乳信仰から逃げることができて、精神的にちょっと開放された。

 

しかしその頃には、母乳の悩みよりも運動発達の遅れが気になっていた。

 

便秘気味

 

GCUのころから、直母で飲めないのと同じく、気になった娘の特徴は便が自然に出ないこと。

 

おしっこはよく出ているのに、お世話表をみるとうんちはあまり出ていない様子。

 

看護師さんが、綿棒をつかってグリグリ肛門を刺激して出している場面を何度か見た。

 

GCUにいる間に、綿棒浣腸のやり方を教えてもらった。

 

ふにゃふにゃの新生児、抱っこするだけでも緊張するのに、肛門に綿棒を入れてグリグリするのはハードル高かった(笑

 

退院後、やっぱりウンチがなかなか出ない娘。

 

赤ちゃん綿棒とワセリンでおそるおそる浣腸をしてみるけれど、出ない。焦った。

 

何度か試して、綿棒が細すぎるとうまくいかないと分かり、一回り大きな綿棒で無事出せるようになった。

 

成長しても、自然にウンチが定期的に出ないので、綿棒で出すことが多かった。

 

ここでも「母乳は消化に良いし善玉菌が多く便秘になりにくい」という母乳信仰がちらつく。

 

私の母乳が足りてないから?ミルクあげる量やタイミングが正しくないの?と自分を責めがちだったけど、、、

 

これもやはり、娘の筋力不足が原因と思う。

 

ちなみに、5歳になった今も便秘気味。

 

食事にしっかり気をつけても、なるときはなる。

 

娘と同じ食生活で、2歳下の息子は一日に2回うんちしている。

 

腹筋が弱いから押し出す力が弱いし、体幹が不安定なので踏ん張る姿勢もとりづらい。

 

便秘は多分、一生お付き合いすることになるかも。

 

 

寝返りが出来るようになったけど、なんか違う

 
修正で半年経っても、腰が座らないし寝返りをしない。
 
足を持ったり、体をひねる動きはするようになっていたけれど、そこからどう寝返りになるのか見当がつかず。
 
Youtubeに手をのばし、赤ちゃんの寝返り動画を検索。
 
よその赤ちゃんの寝返りを真似して、私が娘の身体を操って寝返りの動きをやってみたりした。
 
体を横向きにしていることが増えたので、生後10ヶ月のある日、カーペットとベビー用マットレスの5cmくらいの段差を利用して、寝返りしやすい状態を作ってみた。
 
ベビー用マットレスの端っこに娘の身体を置き、身体を横にひねったらカーペット側に落ちるかんじ。
 
一回補助してやってみたら、すぐに習得して娘は寝返りを打つようになった!!
 
ええ!!出来ちゃった。すごい。
 
と喜びもつかのま。
 
あれ?これでいいの?
 
娘は背中を反らせる格好で寝返りをしている。
 
Youtubeで見た、身体を丸めるような寝返りと違う。
 
これは個人差なのか!?


生後10ヶ月 娘の反る寝返り
 
 
その後も、娘が腹筋を使うタイプの寝返りはなかなかしなかった。
 
そういえば、新生児の頃から身体は反りやすかった。
 
沐浴でお湯に反応するとき、目が覚めてグイー!と背中を反らす。
 
機嫌が悪くなって、大泣きするときも反っていた。
 
新生児のころ私の母が、この子はよく反るね、とポソッと言った言葉が脳裏によみがえった。
 
 
これも、今なら分かる娘の身体の特徴。
 
体幹や腹筋は弱いけど、背中や足の緊張を利用した動きは強い。背中を反ったり、足をピーンと伸ばしたり縮めたりしながらバタバタしたり。
 
一般的な赤ちゃんの寝返りとは違うけれど、自分が使える筋力を駆使して寝返りを習得した娘。
 
なんて頑張り屋さんなの!
 
寝返り習得後ほどなく、腰は座らないまま腕の筋力を最大限につかったズリバイをはじめた。
 
これも、彼女なりに使える筋力を使って頑張っていたんだと思うと、泣きそう。
 

振り返ると分かること

 
娘は自分の使える力を最大限に使って出来ることをしていたし、それ以上を求める必要は無かったんだな。
 
母乳が飲みづらい、嫌だ!という意思表示もしっかりしていた。それにどう答えたらよいか分からず戸惑った。
 
赤ちゃんのころ感じた違和感には理由があって、それはすべて現在につながっている。
 
「普通の赤ちゃん像」や「母乳信仰」を気にするあまり、苦しくなることはあったけど。
 
それとは関係なく、娘は毎日可愛かった。
 
当時は謎だったけど、時間が経ってから分かることもあるよね。
 
長々と、私のボヤキにお付き合いいただきありがとうございました(^^)
 
娘 生後11ヶ月のころ