のっぺりとしている顔は生きている少女の証あるいはマネキン
今回は、《少女》。フェルメールの作品の中で、少女を描いた2作品のうちのひとつです。もうひとつの作品は、《真珠の耳飾りの少女》です。どちらの作品も、背景が黒で、左側への振り向きざまの姿勢で、上半身が描かれています。髪にターバンを巻いていること、真珠の耳飾りをしていることも共通しています。相違点もあります。《真珠の耳飾りの少女》では、ターバンがはっきりと青く、真珠も輝きをもって描かれているのに対して、《少女》では、ターバンは淡く背景の黒に溶け込んでいるようであり、真珠の輝きも控えめに見えます。
どちらの作品もモデルはなく、トロ―ニー(不特定の人物の胸像)であるという説が有力です。ただ、この作品の少女は、逆三角形の顔、広い額、大きな目など、個性的な顔立ちをしています。このことから、実在の人物をモデルにしたという説もあります。あるいは、手前に見える左腕の不自然さから、マネキンをモデルにしたという説もあります。
どの説にしても、光を受けた肌つやの美しさに変わりはありません。フェルメールらしい魅力があります。
画像出典:Vermeer-Portrait of a Young Woman - 少女 (フェルメールの絵画) - Wikipedia
参考にした資料:
大友義博監修『フェルメール 生涯と全作品』株式会社宝島社
小林頼子、朽木ゆり子著『謎解き フェルメール』新潮社
