・メモ
ニーチェ全集の第1巻を読んでみた。本書を読むきっかけは、数年前に葛西教授がニーチェは哲学以前は西洋古典の文献学の研究者だったという話(多分)を思い
[古典ギリシアの精神/¥2,090]
[フリードリッヒ・ニーチェ著、戸塚七郎他訳/筑摩書房(1994/5/9)]
[651p/978-4-480-08071-4]
[西洋古典学、プラトーン、古典ギリシア、宗教、ギリシア人の祭祀、プラトーン対話篇]
[ちくま学芸文庫、ニーチェ全集 1][図][050][kv 00][bb 03
・メモ
橋場氏による古代ギリシアにおける民主政の実態を詳しく説いた著作。本書において、高校の教科書で習ったのとは異なるギリシアの民主政が浮かび上がってくる。確か教科書では、最終的に多数の民衆が愚かな判定を下す衆愚制に陥り崩壊していったという話だったと思うが、実際にギリシアの民主政が誤った判断を下してしまった回数、時期は限られており、前述の結論は正しくなかったことがわかる。
このような誤った認識に落ちいたのにはいくつか要因があるようだ。一つには古代ギリシアにおいて存在していた奴隷制を、現在の立場から捉え許されないものとして反感を持たれたこと。また現代において読み取ることのできるプラトーン、アリストテレースの著述が、民主政に批判的だったこと、さらに民主政を運営した庶民側から書かれたドキュメントが存在しないことも誤解に拍車をかけた。
決定的にはこの頃の歴史を伝えている、トゥキュディデス、クセノポンがかなり民主政に否定的な書き方をしたことなどが原因となって教科書に見られるような記述となったと考えられるという。
実際、民主制は、マケドニアやローマ帝国によって何度か廃止されたものの復活を果たし、数百年にわたって効力を持ったという。民主政については偏見抜きにきちっと評価してみる必要がありそうだ。
[古代ギリシアの民主政/¥990]
[橋場弦著/岩波書店(2022/9/21)]
[245p/978-4-00-431943-6]
[民主政、衆愚制、トゥキュディデス、クセノポン、ソークラテース、プラトーン、アリストテレース、デモクラティア]
[岩波新書(新赤版)1943][図][077][kv 00][bb 04]