・メモ
トッド・ラングレンの半生記。構想・執筆に20年以上かけたということが謳い文句になっているが、練りに練った文章が、凝りに凝った構成で提示されるかというと、そういうことはないw 多分途中でめんどくさくなって放り出していたんだと思う。音の魔術師としての良いイメージを持っていた身には結構だらしないw 彼の一面が見れて面白いと言えば面白い展開になっていると思う。
本書は1トピックスが見開きで完結し、ほぼ時系列的に180個ほどのトピックスが並んでいく。注目すべきは様々な人間模様かな。彼のバラードの原点がローラ・ニーロとの出会いという話は初めて聞いた。ミシェルと出会う前の妻、ビビのダメぶりには呆れ果てる。また彼がエンジニア、プロデューサとしての意識が目覚めたのは、ジェシ・ウィンチェスタのソロアルバムにスタッフとして参加したことをきっかけにであり、プロデューサとしての意識はナッズ後期にバンドをリーダとしてコントロールし始めた頃であることがわかる。
さらにシンセサイザーを随分初期から手に入れて、色々試していたこと、コンソール卓を自作できるほどメカに精通していたことが、アルバムにおける美しいサウンド作りの力になっていたことがわかる。
惜しむらくは、hermit of mink hollowと、healing製作時の裏話が聞いてみたかったなぁ。something/anything, todd, wizard a true star, 初期utopiaの頃の話は結構あるのだから、上記2枚のアルバムについても聴いてみたかった。
[インディヴィジュアリスト トッド・ラングレン自伝/¥3,300]
[トッド・ラングレン著、上西薗誠訳/シンコーミュージック・エンタテインメント(2019/12/12)]
[423p/978-4--401-64803-0]
[ミス・クリスティーン、マリーン、ビーン、ビビ、ミシェル、ジャニス・ジョプリン、ローラ・ニーロ、パティ・スミス、シンセ、ジェシ・ウィンチェスター、バラード、コンソール卓]
[単行本][友][039][kv 00][bb 01]