・メモ

様々に変遷しながらも180年続いたアテネ民主政、それを彩った政治家八人を取り上げ、民主政の利点、欠点に迫ろうとする著作だ。八人の中には改革者として名高いペリクレス、デマゴーグとしても有名なクレオンなども含まれている。アテネの民主制というと=衆愚政治という捉えられ方をする場合も多いが、それほどひどいものではない。一つ気になるのは軍を率いたストラテゴスが期待通りの成果をあげられないとほぼ間違いなく弾劾裁判にかけられてしまう点だ。戦いなので諸般の事情により負けることも当然あるだろう。それを罪を犯したとして裁判で裁くという神経はどうしても理解できないなw

 

[アテネ民主政 命をかけた八人の政治家/¥1,870]

[澤田典子著/講談社(2010/4/10)]

[298p/978-4-06-258465-4]

[直接民主政、監視、ストラテゴス=将軍、弾劾裁判、陶片追放、フィリポス2世、プリュソポグラフィ、イセゴリア、レトリケ、クリティアス、デモステネス、アルキビアテス、アリストパネス、トゥキュディデス、クレオン=デマゴーグ]

[講談社選書メチエ][初図][062]