・メモ
オクスフォード大辞典を編纂するにあたり、そのプロジェクトをまとめ上げたマレー博士と莫大な貢献をしたマイナー博士との物語。遺伝的な精神病を病み、殺人事件を犯した後、医療刑務所にほぼ一生拘束されながら精緻な仕事ぶりで多大な貢献をしたマイナー博士との交流はもっぱら手紙を通して行われたが、実際に何度もあっていると言う事実はある。この物語では病を患ったマイナー氏の悲壮な一生が非常に痛々しい。末期の心身の衰えの描写は、いずれ自分にも訪れることを考えると非常に考えさせられる。衰えを自覚しつつそれを受け止めて死の瞬間まで生き続けるのがいいのか、選択的に自死を許容すべきなのか。。。
[博士と狂人/¥880]
[サイモン・ウィンチェスター著、鈴木主税訳/早川書房(2006/3/31)]
[358p/978-4-15-050306-2]
[OED、ウィリアム・マイナー、ジェームズ・マレー、ブレイン博士、ニコルソン博士、ジョージ・メリット]
[HAYAKAWA NF 306][ 図][058]