・メモ
逸身先生の著作としては2冊目の本書を再読した。1回目は講座で担当分を予習するために韻律の知識が必要なため、韻律のルールを中心にして本文はざっと読んだため、知識としては不十分な獲得に終わった。
今回は時間をかけて再読してみた。本書で扱う範囲は、ギリシア・ラテン文学のうちで、韻文に関する分野で散文は除外している。散文が含まれていないのは残念だが、韻文についてはギリシア・ラテン文学を非常に包括的に扱っており、1回目で利用した韻律のルールも規定されており、非常に充実した内容となっている。
敢えて言うと、今まで類書を数多く読んできたが、韻文の西洋古典学の対象範囲を扱っている書籍としては、本書があれば十分であると感じた。これを基準とし、残った散文については、既に手元にある「ラテン文学を学ぶ人のために」「ギリシア文学を学ぶ人のために」を補えばキケローやアリストテレースなどもカバー出来るので十分かなと思う。やっと西洋古典学の全貌が見えてきたw
本書では数多くの作品を取り上げているが、特にちょっと調べてみたいと思ったのはウェルギリウスの「農耕詩」、「蛙」などのアリストファネスの喜劇群である。どちらも簡単に読めるものではないが、ちょっと読んでみたいw
[ギリシャ・ラテン文学/¥3,300][逸見喜一郎著/研究社(2018/5/30)]
[438p/978-4-327-51001-5]
[人文学科、西洋古典学、韻文、エポス=叙事詩、エレゲイア、イアンボス、イリアス、オデュッセイア、リリカ、アキレウス、ホメロス、古喜劇、中喜劇、新喜劇、アリストファネス、メナンドロス、プラウトゥス、テレンティウス、ホメーロス、シュンポニオン、オレスティア三部作、カッサンドロス、アイスキュロス、ソフォクレース、エウリーピデース]
[単行本][再][029]