一年ぶりのMJGでの松波千紫さんのライブに行ってきた。MJGでのライブはいわゆるロックのライブではなく、自分が普段聴くのとは全く違う世界の音楽を聴かせていただけるので大変貴重だ。今回の松波さんは地唄端唄の世界の方で幼少の頃から活躍された方で、今回も三味線、琴で聴衆を楽しませて頂いた。

 

さて、琴と三味線、どちらもいいが個人的には三味線の方がいいかな。多分音色が琴の方がやや柔らかく聴いているうちに眠気を誘う点かな?今回も琴のパートであんまり気持ちよくてちょっと寝落ちしてしまった。もったいないw

 

今回の演奏曲目では松任谷由実の「春よこい」なども取り上げていたが、この1年はライブの機会が減った反面、ライブ配信する機会が増え、その中で現代の曲も取り上げる機会が増えたとのことだった。

 

今回は最前列だったこともあり、松波さんの指使いを具に見ることができて非常に興味深かった。オーナによれば毎正月の恒例にしたいとのことなので、また来年に聴くことになると思う。楽しみだw

 

・メモ

今回驚かされたのは琴の運指かな。三味線を弾く時、右手のバチで糸を叩き、左手は糸を支えるのが主な役割かと思っていたが、今回見たところでは左手はかなり色々な動きをしていた。

 

左手に糸を支えるのは勿論行なうのだが、糸を強く押すことでチョーキングのような効果を出したり、右手をギターパートだとすると、ベース音を担当したり、右手がメロディを奏でる時、左手が右手の使う糸群と別の糸群を使ってアルペジオのような弾き方をしたり、右手にアルペジオの部分を担わせる一方、左手で通常右手が行なう主旋律を担当させたり、右手左手が目まぐるしくパートを入れ替えて演奏が進行する様子が非常に面白かった。

 

昔からの楽曲は右手、左手の役割は割と固定しており、このような複雑な構成を取るのは現代の曲が多いという。

 

三味線の演奏では、松波さんは歌唱も担当されたが、非常によく通る声でかなり楽しめた。やはり歌が入った方が聴いていて楽しいなw

 

また、今回の演奏はライブ配信されたが、その時にスマフォを固定するデバイスを利用されていた。そのお値段は意外に安く実は割と壊れ易いそうだ。

 

琴も三味線もいわゆる楽譜を用いるが、通常のものとは異なり数字が縦に連なっている点は共通だが、内容はかなり異なるという。この楽譜を読んで音をイメージするのは幼少の頃からやっていないとかなり難しいな。

 

松波さんは早稲田出身だが、大学時代はテニスに熱中していたという。ちょっと意外。

 

プロを目指したのは大学卒業後、社会人のころで、ある方の発言がきっかけだったというが、子供の頃から続けていたので稽古が当たり前の世界なので音楽に対する意識が希薄だったと言う。社会人になってやや距離を置く環境になったことから、かえって重要さに気づいたとのことだ。

 

・メンバ

 松浪千紫    三味線、琴

 

・演奏楽曲

- 第1セット

一.さくらさくら

二.六段の調べ

三.倫敦の夜の雨

四.朧月夜〜祈り

五.春よこい

 

- 第2セット

六.高砂

七.都十二月(抜粋)

八.梅は咲いたか

九.奴さん

十.愚痴