・メモ
古代の英雄、アレクサンドロス3世、マケドニアという我々には馴染みのない国に突然現れたスーパースターのように描写されることが多いが、彼自身が有能であったにせよ、彼が成功を収めるためには、アレクサンドロス1世、アルケラオス、ペルディッカス3世、そして父のフィリポス2世のたゆまぬ努力の賜物であることを教えてくれる。
そして彼を英雄に祭り上げているのは多分にプルタルコスの文献であり、アレクサンドロス・ロマンスであることがわかる。そのため描く人、評価する人が変われば評価も一変する。例えば第2次大戦後はヒトラーになぞらえられたため、ユダヤ系の研究者からはひどい評価を受けたことからもそれが伺える。
個人的には現実的な有能な軍人、統治者であったと思う。若くして亡くなったのが実に惜しい。
[よみがえる天才4 アレクサンドロス大王/¥946]
[澤田典子著/筑摩書房(2020/11/10)]
[235p/978-4-480-68386-1]
[個人的君主制、ヘラクレス、カイロネイアの会戦、オリンピュアス、カッサンドロス、狩猟、饗宴、近習、競争、制度化された同性愛、プルタルコス、書記官職、アレクサンドロス・ロマンス、アケイメネス朝ペルシャ、]
[ちくまプリマー新書362][初図][0084]