・メモ

哲学の授業でレポートを書くことになり、たまたま以前買って書架にあったこの自省録を題材にしようと思い読み返して見た。この書物は実に不思議で読む人にとって頭を使わせるようにできている。一見非常にまともな話が延々と書かれているので、なるほどねと読み進める。

 

しかし途中まで読んだところで本当にこれだけなの?という疑問が湧いてくる。そうすると書かれた文章に裏があるのではないかと段々疑心暗鬼になってくる。そのうちその疑問は著者のバックグラウンドにあるのではないかという気がしてきた。読んだり調べたりしているうちにそれがストア哲学であることが分かった。

 

ならばこの書物はストア哲学を知らないと理解できないのかと色々悩んだが「指導理性」という言葉が人間の心の中心を制御するような部分と理解できたところでちょっと霧が晴れたような気がした。再読してみよう。

 

[自省録/¥770]

[マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳/岩波書店(1956/10/25)]

[327p/978-4-00-336101-6]

[種子的理性、指導理性、書を捨てよ、不満を持つな、時を逃すな、軽蔑に値することとを言ったりしたりするな、死後の名声にこだわるな、受け入れる、驚かない、怪しまない、他人を意識しない、自分に集中する、あるがままの姿で物事を見よ]

[岩波文庫 青610-1][初図][0051]