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熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)
1,080円
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熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)
1,080円
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・メモ
一家の団結を説き、妻をDVで殺しかけた男イヴァン、そんな父にいやけがさし家を飛び出した3兄弟は建築業を営みつつ、長男レオの強力なリーダーシップの下、幼馴染のヤスペルと組んで、軍事倉庫の拳銃を盗み出し、次々と強盗で成果を上げていく。一方で独断で爆発物の安全装置を外し爆発させ、そのことでヴィンセントを脅迫したヤスペルはレオの逆鱗に触れチームを去る。一方フェリクスとヴィンセントもばくはつぶつじけんで嫌気がさしチームから離れる。事件を操作するヨン・ブロンクスはわずかな映像からチームに兄弟で構成されていることを見抜きこれが事件解決の重要な手がかりになる。さらにイヴァンはいくつかの映像などからチームが実の息子たちで形成されていることを見抜く。
いくつかの強盗事件である程度の金を手に入れたレオだったが再度事件を画策するがフェリクスとイヴァンの協力を得られず計画は頓挫する。レオは銃器をヨンに買わせようとするが、ヨンはレオの気持ちを見抜き再度襲撃をせざるを得ない得ない状況にレオを追い込む。再びチームを再編しようとしたレオだが、やはりフェリクスとヴィンセントは耳を貸さず、レオは父親のイヴァンとヤスペルそして恋人のアンネリーを巻き込み事件を起こし逃走するが、いくつかのアクシデントが重なり、レオ、イヴァン、ヤスペルはある別荘に籠城することになる。この段階でイヴァンを毛嫌いしていたレオが実はイヴァンに非常に似ていることが明らかになる。そしてそやで乱暴者だった父親のイヴァンが最終的に人生の意義、あるいは正義というものを自覚し行動することでレオの計画は破綻し、収監されることになる。
自信満々だったレオが父親の心境の変化による行動で破綻していく展開がスリリングで面白い。上下巻で1000ページを超える大作だが。途中からストーリに引き込まれ一気に読んでしまった。ちなみにこの物語はベースとなる実話があり、著者の一人のトゥンベリは事件に参加しなかった兄弟の一人だということである。
[熊と踊れ 上下/1,080*2円]
[アンデシュ・ルースルント、ステファン・トゥンベリ著、ヘレンハルメ美穂、羽根由訳/早川書房(2016/11/25,26)]
[561,570p/978-4-15-182151-6,978-4-15-182152-3]
[レオ、フェリクス、ヴィンセント、イヴァン・ドゥヴニャック、ヤスペル、ヨン・ブロンクス、サム]
[早川ミステリ文庫 HM439-1,2 7847,7848][初店][0058,0059]