・メモ

ビル・エバンスの伝説のトリオの一員だったスコット・ラファロのバイオグラフィーだ。著者は彼の妹だ。スコットは25歳で自動車事故死しているのでその一生はごく短いものだったが、その短い時間の中で世界のトッププレーヤに上り詰めたスコットは練習の虫でもあったことが何度も記載されている。

 

本書で驚かされたのはスコットがベースを手にしたのは大学に入ってからで、キャリアとしてはごく短期間のうちにトッププレーヤに上り詰めた事がわかる。きっとものすごく適性があって、それに加え恐ろしいほどの練習量によってそれが可能になったんだろう。

 

あと、もう一つ驚いたのは同業者であるプロ(ジャズ、クラシック)のベーシストからの絶賛の声だなぁ。プロから見てもすごいという事は、本当に凄いんだろうな。マーク・ジョンソンなんかスコットになりたかったって言うぐらいだからな。

 

それと私の好きなゲイリー・ピーコックやチャーリー・ヘイデンとも生前交流があった事はなんだか嬉しかった。それにしても惜しい人を若くして失ったなぁ。ジャズ界、そして音楽界にとって大きな損失だったと思う。

 

[スコット・ラファロ その生涯と音楽/¥3,672]

[ヘレン・ラファロ・フェルナンデス著中山康樹、吉井誠一郎訳/国書刊行会(2011/3/15)]

[381p/978-4-336-05361-9]

[ガット弦、エバンスのヘロイン中毒、ビル・エバンス、ポール・モティアン、クラリネット、サックス→ベース、バイオリン、チャールズ・ロイド、ゲイリー・ピーコック、エディ・ゴメス、マーク・ジョンソン、チャーリー・ヘイデン]

[単行本][初図][0036]