・メモ

ジャズ喫茶の書架で見つけ興味を持った一冊。カルヴィーノは「冬の夜ひとりの旅人が」を読み、作品の巧みな重層構造の駆使に感銘を受けた記憶がある。本書はとりあえずタイトルそのものに興味をもって読み始めたが、実に面白い。内容的には書評と言っていいと思う。私も読書感想文を書くが、その多くが単に好き嫌いの感想でしかなかったり、気に入った部分の列挙に止まるのに対し、著者は文体そのものに踏み込みなぜこういう形式を取るのかを分析してくれる。その中でもとりわけ面白かったのはオウィディウスの変身物語に関する考察かな。視点の斬新さに驚かされた。

 

ということで本書に掲載された書籍で読みたいと思ったものを以下に挙げておく。

「我らの共通の友」ディケンズ

「カンディード」ヴォルテール

「パルムの僧院」スタンダール

 

[なぜ古典を読むのか/¥1,296]

[イタロ・カルヴィーノ/河出書房新社(2012/4)]

[p401/978-4-309-46372-8]

[ディケンズ、ヴォルテール、ガリレオ・ガリレイ、オウィディウス、スタンダール、クノー、ボルヘス、架空の評論、豊穣な短文、様々な試み、緻密、忘却・騙し、重層構造、動詞固定、自然は書物である、動詞固定、場面の変化、人称の変化、クセノポン、フランシス・ボンショ]

[河出文庫 カ-2-5][図初][0001]