ぼくの哲学 ぼくの哲学
2,484円
Amazon

 

・メモ

米国の伝説のアーティスト、アンディ・ウォーホルのエッセイだ。ウォーホルは自らを商業芸術家と称して様々な量産可能なw作品を提供してきた。有名なのはキャンベルスープの缶を羅列したもの、マリリン・モンローなどだ。初めて目にしたのはミュージック・ライフ誌で私の永遠のアイドルエドガー・ウィンターが参加したパーティの主催者としての登場だった。両者とも銀髪で色が非常に白いが、アンディの場合は皮膚の色素は病気で抜け、銀髪は老けて見せるために染めたそうだ。その不思議な表情が気にかかったものだ。その後はヴェルヴェッド・アンダーグランドの関係者として認識していた。最近ではたまに行く麻布十番の焼肉屋の壁一面にキャンベルスープ缶の羅列を見たり、ミニヨンで彼の抽象画の画集を見つけたりしたものだ。

 

さてこの「ぼくの哲学」、もちろん哲学書ではない。彼が日頃考えていることをテーマに沿ってまとめたものだ。この中で彼は自分が日頃考えていることを淡々と語っている。この感じがなかなか面白い。淡々と飄々と思いを語っている。過去にとらわれたくないと言いながら香水の香りに過去の記憶を重ねると言ったり、なるべく家にいたいと言いつつよく海外に行ってみたり、有名になりたくないと言いながら、散財したり行動と言動は矛盾に満ちているが、それが嫌味な感じがしないのは本人のもつキャラクタなんだと思う。

 

読み終えてみて思うのは、この人は違和感や意外性を非常に重要視してるんだろうということ。平凡と非凡の差、有名と無名の差は非常にわずかなもので、そこにあるのはちっぽけな違和感や意外性ということなんだと思う。医療ミスで58歳で亡くなったこの芸術家だが、もっとその振る舞いを見続けてみたかったな。

 

誠剛君はこう言ってる。

 

[ぼくの哲学/¥2,484]

[アンディ・ウォーホル作,落石八月月訳/新潮社(1998/8/3)]

[334p/978-4105368012]

[家にいるのが好き、違和感と意外性、アンディ・ウォーホル→アンディ・ウォーホール、平凡を非凡に、商業アーティスト、ポップアート、オーラ、肩書き、アーシュラ・アンドレス、低身長、特別番組ではありません、匂い、過去にとらわれない、A:アンディ、B:バディ]

[単行本][初図][0038]