世界に数多ある神話や冒険譚、英雄譚、多様に思えるその構成には意外な共通性がある事が本書で明らかにされる。基本的には
出立 → イニシエーション → 帰還
というパターンだ。より詳しくは下巻89ページにある図に表されている。
上でのパターンは繰り返していく事になる。例えばスター・ウォーズなんかはこの典型例に見事に合致する。またオデュッセイアなんかは単発の出立→イニシエーション→帰還のパターンにピタリと合致するわけだ。
本書では上記のサイクルの各場面に関し、世界各地の神話、民話を豊富に引用し詳しい説明を繰り返していく構成を取る。引用された話の中には日本の神話も出てくる。本書の構成が頭に入らなくても、個々に引用されている物語の数々を読んでいるだけでもかなり楽しい感じだ。
個人的に面白いと思ったのはこのサイクルの中の初めにある、世界の創生、神の誕生、神の子らの誕生、そして英雄たちの登場の部分かな。これなんかはギリシア神話に当てはめてみると非常によくわかる感じだ。そして話が再生に至るまでに一旦訪れる英雄の死、世界の終わりの部分だ。この部分は単に物語の終わりとして解釈すると同時に自分自身の生の終わりを自覚せざるを得なくなる。うーん、深いw
誠剛君はこう言ってる。
[千の顔を持つ英雄 上/¥799][ジョーゼフ・キャンベル著、倉田真木他訳/早川書房(2015/11/25)]
[315p/978-4-15-050452-6]
[死と復活、割礼、神話、同じストーリ、ギリシア悲劇、大洪水、神話の原案→モノミス、冒険への召命、守護者、境界を超える、AUM、シヴァ神、菩薩と観音、ニルヴァーナ、千0704]
[ハヤカワ文庫 NF 452][初図][041]
[千の顔を持つ英雄 下/¥777][ジョーゼフ・キャンベル著、倉田真木他訳/早川書房(2015/12/20)]
[337p/978-4-15-050453-3]
[帰還の拒否→浦島太郎、オデュッセイア、物語の重要性、モノミス、リンガム・ヨニ、ジャイナ教徒、此の世の始まり、英雄の死、宇宙の終わり、再生、神の時代・神の子の時代、英雄の時代、出立→イニシエーション→帰還、スターウォーズ、ジョージ・ルーカス、死と復活、割礼、神話、同じストーリ、ギリシア悲劇、大洪水、神話の原案→モノミス、冒険への召命、守護者、境界を超える、AUM、シヴァ神、菩薩と観音、ニルヴァーナ、千0704]
[ハヤカワ文庫 NF 453][初図][043]