・メモ

日本では地下鉄のザジの原作者として知られている

レイモン・クノー氏の実に興味深い作品だ。バスの中で

起きたごく些細な事件を表す短文を提示した後、それを

様々な条件・制約の元で、クノー氏が99のバリエーション

に展開して行く。怪談風があったり、代数風があったり、

クノー氏の文章は実に面白い。が、本書はフランス語で

書かれたものであり、日本語との差は著しいので 翻訳者

の方々も悪戦苦闘して翻訳している様子が窺われる。

ただ、本書の真髄に触れるにはフランス語の解説書に

あたった方がいいだろうね。

 

[文体練習/¥2,376]

[レイモン・クノー(著),松島征、原野葉子、福田裕大、河田学(訳)/水声社 (2012/9/20)]

[260p/978-4-89176-867-6]

[変奏曲、フーガの技法、ISIS編集学校、S線のバスの車内、1.覚書、フランス語、翻訳の難しさ、クノーのいたずら、喜劇、怪談風 、あべこべ、千138/1643夜]

[レイモン・クノー・コレクション⑦][再図][020]