ブリューゲルの名画、バベルの塔を鑑賞してきた。
この作品を初めて知ったのは、ボルヘスの百年の
孤独を読んだ際に、挿絵として使われていたのを
見たときかな。ブリューゲルの緻密で大胆な構成
に目を奪われたが、今回じっくり見て行くと多くの
ことに気づかせてくれる。とにかく細かいばかりの
人物描写が凄まじい。一つの絵の中に何千もの物語
が展開している。塔の上部に掛かる雲が、怒りの余
り塔の首を絞めようとしている神の手に思えた。
そのほかの作品では動物とも植物とも人間とも
つかない不思議な生き物が目に付いた。どこか
で見たことがあると思ったら、澁澤龍彦の河出
書房文庫でよく見た感じの絵なんだな。