プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?/メアリアン・ウルフ
¥2,592
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[ プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか/¥2,592]

[メアリアン・ウルフ著、小松淳子訳 /インターシフト(2009/2/20)]

[377p/ 978-4-7726-9513-8]

[文字を読む脳の変化、文字を読む脳の発達、文字を読む脳のバリエーション、ソクラテス・プラトン・アリストテレス、アッカド語、シュメール語、書記体系、遅延ニューロン、ラベリング、識別、音声言語→記述言語、視覚言語、ロゴシラバリー、記憶術、ディスレクシア、フェニキア文字、原カナン文字、千1477]

[単行本][再][001]

本書、久々に興奮させられた。

人が文字を発明しそれを読み書きするようになってから
いかに脳がそれに対応してきたかという点において
かなり驚かされる本だ。さらに驚くのは、文字が発明されて
から六千年ほど経つが、それ以前の脳と、現代人の脳とは
その構造においてほとんど差がないという。つまり本を読む
ために機構は遺伝レベルでは担保されておらず、個人が
生まれてから一つ一つ学んでいくということだ。この点でも
脳の対応能力の高さに驚かされる。

本書の題名、プルーストとイカというかなり不可思議な
組み合わせだが読んでいくと納得させられるものがある。
プルーストは、本を読むことによって(あるいは書くこと
によって)広がる驚嘆の世界の例として取り上げられる。

イカは神経の発達の研究の絶好の材料として取り上げ
られている。つまりプルーストは本を読むことによって
得られる人間にもたらされる効果を現象面から、イカは
それを生理学的な面から表しているというわけだ。

文字を発明し使いこなすことによって人間は大いに
成長してきた。現代は書籍からWebに情報提供媒体が
移行しつつある。それによって人間がどのように変わって
いくのかは非常に興味のあるところだな。

誠剛君は
こう言ってる。