- 全国アホ・バカ分布考―はるかなる言葉の旅路/松本 修
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[全国アホバカ分布考 はるかなる言葉の旅路/¥1,888]
[松本修/太田出版(1993/9/9)]
[446p/4-87233-116-8]
[白楽天、白氏文集、馬鹿、馬家、阿呆、江南、アータイ、日明貿易、ホンズナス、近松門左衛門、方言周圏論、蝸牛考、学会発表、探偵!ナイトスクープ、千718]
[単行本][初図][113]
きっかけは「探偵! ナイトスクープ」の一つの企画だった。
それが大きなドラマを生むことになる。これはすごい。
バカは関東、アホは関西というのは普通納得できる考えだ。
ならばどこにその境界があるのかというのがそもそもの
調査だった。
しかし、実は調べていくと驚くべきことがわかった。
実はアホもバカも京都起源の言葉であり、バカよりも
アホの方が新しい!
これだけでも驚きだが、それらの言葉は京都を中心に
同心円状に地方に伝播していくというのだ。
言葉とはこんな形で伝わるのかというのが正直な
ところだが、本書はこれでは終わらない。伝播にも
例外があって、例えば2つの場所で船による交易が
盛んだと、言葉が飛び地のように伝わることもある
という。民放のバラエティ番組をきっかけに、
様々なことがわかってきたわけだ。
実は、本書にはもっとすごい話がある、「アホ」と「バカ」の
起源だ。おおくの言語学者が様々な説を唱えていたが、
本書ではそれを全て退け、新たな説を唱えている。
しかしそれが実に説得力がある話なのだ。
というわけで、最後にそれを紹介しておく。
「バカ」
→ 白楽天の詩の中で使われた表現が元。
隆盛を誇った馬家が、驕り高ぶったせいで没落してしまった
という話。 馬家 → 馬鹿となったわけだ。
「アホ」
→ 中国江南地方で使われていた阿呆=アータイという言葉が
日明貿易を通じて(多分)日本に伝わった。
誠剛くんはこう言っている。