- ガリア戦記 (平凡社ライブラリー)/ガーイウス・ユーリウス カエサル
- ¥1,620
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[ガリア戦記/¥76¥¥1,620]
[石垣憲一(翻訳) /平凡社 (2009/3/10)]
[394p/978-4-582-76664-6]
[アレシア、ウェルケンゲトリクス、ガリア一斉蜂起、ゲルマーニー人、ガッリー人、クローディウス、アルウェルニー族、ブリタんニア、キンゲトリクス、ドルイド、ガリアの風俗・文化、千0365]
[平凡社ライブラリー か-34-1][再][094]
久々に再読した。この翻訳は私も参加している
ラテン語メーリングリストにおける勉強会の
成果がベースになっており、それをこの勉強会の
解説訳を務めた石垣氏がまとめ直したものだ。
市井のメーリングリストの出力として
ガリア戦記という古典の翻訳書が出たことは
非常に価値があると思う。翻訳者のあとがきを
見ると、この勉強会に参加された方の名前を
拝見することができるが、急逝されたかた、
命に関わる大病を患った方など時間の経過を
感じさせる。本書が出たからすでに6年以上の
月日が経ったとはちょっと驚きだ。
さて、今回読み返してみた感想。
多分ガリア戦記を読み返すのは
5回目くらいだと思う。今までとの
大きな違いは、これまでの
ひたすら筋を追うことに四苦八苦したが、
今回、多分初めてこの作品の内容に
踏み込めたような気がする。
まず、カエサルの文体。ほぼ三人称で
貫かれた文体は、書かれた内容に
カエサルの意思が働いていたとしても
あたかも客観性を持った記述と
思わせてしまう効果があったような気がする。
そしてガリア人の特性。なぜにこんなに簡単に
約束を反故にできるのかは理解をこえたところにある。
そして、まとまりのなさ。ガリア一斉蜂起にしたって
ウェルケンゲトリクスはまとめあげるのに、
人質をとったり脅したりすかしたりしてかなり
苦労している。一見して烏合の衆のように見える。
ただ、この個々の集団(民族)誇りはかなり高そうだ。
自尊心はあるが国としてまとまる力、まとめる力が
ないのが当時のガリアの状況だったのではないかな。
多分ガリア全体が民族的・文化的に発展途上
だったのかな。今のフランスはそんなこと
ないもんな。
誠剛くんはこう言ってる。