[宮沢賢治 /集英社 (1997/6/14)]
[211p/978-4000282918]
[宮沢賢治、ジョバンニ、カムパネルラ、死、妹、注文の多い料理店、千900]
[集英社文庫 み 18-1][再図][028]
銀河鉄道999のイメージがあるせいか、
この作品もメルヒェン的なものを
想像しがちだが、実際には違う。
川で溺れたカムパネルラがジョバンニに
本人の死への旅路を見せるのが本作品だ。
一緒に旅をするカムパネルラはすでにこの世の
存在ではない。一方ジョバンニは今の世界を
生きている。作品全体を通してこの生と死の
退避というか違和感が満ち満ちている。
カンパネルラの諦観、そしてジョバンニの
生きようとする姿勢が、賢治と早逝した
妹と重なり合う。
今までは読むたびにジョバンニの立場に
立っていたが、今夏初めて、、気がつけば
カムパネルラの立場に立って読んでいる自分に
気がついた。死が非現実的な存在から、
近未来に確実にやってくる事実として
きっと捉え始めたんだろうな。
次に読むときにはどんな感想を自分が持つか
楽しみでもあるね。
正剛くんはこう言ってる。