うつろ舟 (福武文庫)/福武書店
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[うつろ舟 /¥450]
[澁澤龍彦 /福武書店(1990/10/16)]
[216p/ 4-8288-3162-2]
[髑髏盃、巨福呂坂、泉ヶ谷、極楽寺、十一人塚、メンリン、エロ、陽物、勃起、由比ヶ浜、滑川、材木座、蟹、千0968]
[福武文庫 し0204][再][052]
久しぶりに澁澤龍彦を読んでみた。
精緻で乱れのない文章が「きちっと」展開して行く様子が心地よい。
ただ、そこで展開する世界は異形とエロとグロテスクなものに
満ち満ちている。ちょっと不思議なのは、澁澤氏は西洋古典、
あるいは中世等を舞台に博物誌的な視点の作品を次々と
世に出していたが、最晩年に出た作品集はいずれも日本の
古い時代をテーマにしたものばかりだ。が、それが妙に
マッチしている。もともとこういう小説を書きたかったのだろうか。
故人となってしまった著者に質問することは許されないが
心惹かれる部分ではある。
澁澤龍彦氏の逝去の報はやや遅れて知ることになる。
ただ、氏が私のアパートのごく近くに住んでいたとは
驚きだった。職場の目の前にある病院に入院していたらしい。
ふーん。
正剛先生のコメントはここに。