
[見仏記] [いとうせいこう、みうらじゅん(著)/角川書店 (1997/6/25)] [293p/978-4-04-184602-5] [京都、奈良、東北、九州、君は千手観音、千0198] [角川文庫 い 28-2][初][111] 興福寺の仏頭を見に行った帰り、 美術館のショップで見かけた本書、 即買いましたとさ。 かたやみうらじゅん、 サングラスと長髪がうさん臭い人物。 言っていることも結構いい加減。 が、仏像に対する愛情は本物だ。 子どもの頃から見仏記をつけつづけ その知識はすごいもんだ。 本書の所々に挿入されるイラストも 捉えどころが的を射ていて素晴らしい。 みうら氏にとっては仏像は生きてるん だよな。そして憧れのそ存在なんだよな。 かたやいとうせいこう、 TVで見かけた顔だが、文章を 読んだことはなかった。 読んでみると、実に整然とした感じ。 みうらじゅんとの行脚を克明に 記述すると同時に、そこで頭に 浮かんだ事柄も丁寧に文章に 落として行く。言葉を職業に する人が冷静に文章を書くと こうなるのか、と驚かされる。 この二人が全国の仏像を 見学してまわる。面白くない わけがない。 が、本書にも落とし穴がある。 破天荒なみうら氏を、うまく コントロールしているように みえたいとう氏だが、実は バランスをとっていたのは みうら氏で、いとう氏は 往々にしてちょっとした ことをきっかけに妄想の 世界に遊んでいたことが みうら氏から暴露される。 なるほどw これを頭に、前半部分を 読み返してみると、予測不能の みうら氏の行動に、ちょっと ばかにしたようないとう氏の 書きっぷりがちょっと可愛い。 本書はその後シリーズとなり、 6巻まで出ているらしい。 これはいずれ読まねば。 正剛先生のこめんとはこちら |