- 荷風の永代橋/青土社
- ¥5,040
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[草森 紳一 (著)/青土社)]
[878p/978-4791761616]
[四書五経、永代橋、断腸亭日乗、築地、中洲病院、鉄砲洲、新大橋、月島、佃島、禾原、漢詩]
[単行本][図初][107]
きっかけは千夜千冊で四方田犬彦の「月島物語」を
何となく読んだことだった。職場からほど近い月島、
佃島、そして旧石川島に非常に興味がわいた。
その二、草森氏の「本が崩れる」を読んだ。
これも千夜千冊から。で、これが抜群に面白い。
そしてこの人は文字通り本に埋もれて死んだ。
で、この1冊。草森氏の著作で面白そうなものは
ないかと調べていたら、本書「荷風の永代橋」が
ひっかかった。とりあえず読もうかと図書館で予約。
カウンタで引き取り手続きをしたあと目の前に
洗われたのは、900ページちかい分厚く辞書の
ような本だった。
本書は永井荷風の断腸亭日乗(これも千夜千冊)を
丁寧に時間軸に沿って追いながら、そのとき荷風は
何を考えていたのかを洗い出そうと言う試みだ。
断腸亭日乗を丁度再読したばかりだったこともあり、
夢中でページを捲って。読み込んだ。
いろんなことが分かった。永井荷風は本当に
私の職場の近所をぶらぶら歩いていたんだね。
本文中に現れる地名をノートに書き出してみれば
それが、本当に近所であることが分かった。
漢詩。永井荷風は漢詩にも造詣が深いと
言われているが、中国文学を専攻した草森氏
によれば大したことないらしい。これは驚き。
変人。永井荷風って実に変な人だ。
不道徳でわがままでかんしゃく持ちで、気分屋で
じつに取っ付きにくい。父親に反抗し続けた挙げ句、
父親が亡くなったあと、そのことに一生
縛られてしまうってのも随分変だ。
あと、信じられないほどスケベな点ね。
今読み終えてぐったり疲れている。
面白かったが、ボリュームが膨大すぎたw
1週間ほどおいて、もう一度読んでみるつもり。
草森紳一は本当に面白い本を書くね。