- 代替医療解剖 (新潮文庫)/新潮社
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[サイモン・シン、エツァールト・エルンスト,青木薫(翻訳)/新潮社 (2013/9/1)]
[584p/978-4-10-215976-7]
[ホメオパシー、鍼、指圧、カイロプラクティック、アロマセラピー、リンド、ハミルトン、ルイ、ナイチンゲール、頸椎、脳卒中]
[新潮文庫シ37 6 9781][初][097]
いわゆる西洋医学として認知されているもの
以外の医療行為にメスを入れた著作だ。
著作者の一人、サイモン・シンは
暗号解読等の理科系の読み応えのある
著作が多い。翻訳者の青木薫さんも
サイモン・シンの著作の翻訳の他
様々な自然科学系の翻訳者として知られ
最近は自分の本も書いている。
本書の内容は結構衝撃的だ。
ある程度効き目があると思われそうな、
鍼灸、指圧、カイロプラクティック、
ホメオパシー、アロマセラピーなどが
一部の例外(腰痛等)を除きほとんど
プラセーボ効果と同等レベルの
効果しかない事が明らかにされる。
読み始めた当初は、たとえプラセーボ的な
効果しかなくてもリラックスや痛みの軽減等の
効果があればそれはそれでよいかと思ったが
そう簡単な事ではないらしい。
効果が極めて限定的なのに、
万病に効くように主張したり、
医療の進め方に口をだしたり、
通常の治療をやめさせ、
代替医療に切り替えることで
かえって症状を悪化させたりと
かなり悪影響がある事がわかる。
まぁその主張する原理や理論が
疑似科学なのだから疑わしいのは
事実だけど、なぜ現在これほど多くの人が
こういった代替医療に縋り付くのかは
首を傾げざるをえないな。
イギリスではホメオパシーを大学で教え、
卒業生には理学士の称号を与えると聞く。
それだけはやめてほしいぞw