百年の誤読/ぴあ
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本に関する記述を読むことは楽しい。
BSでやっていた週刊ブックガイド?は
終わってしまったが、朝日新聞の
日曜の書評欄は必ず眼を通す。
千夜千冊のブログにも、定期的に
目を通す。で、そこで取り上げられた
書評の類いがあれば出来る限り
読むようにしている。

何が楽しいのかな?
それは多分自分と異なるバックグランドを
持つ人々が、自分からは到底出てこない
観点で、本を、作者をぶった切って
行く所なんだろうな。

本書は、1900年代から、10年毎に
その時代のベストセラーを俎上で
2人の読み手があれこれぶった切る。

いくつかの発見があった。自分では
とても手にとる気にならない
『金色夜叉』が意外にいいらしい。
泉鏡花、谷崎潤一郎、永井荷風、中島敦
なんかやっぱり読んでみたいな。
『世界の中心で愛を叫ぶ』ってのは
けっこうダメダメなんだな。

本を評論する口調は滑らかでやや
軽い感じ。読むに値しない本も
かなり取り上げられている。
まぁ、鈴木健二、糸山糸山英太郎の
著作がダメダメなのは読まなくても
わかるが。

ちょっとツッコミが足りないかなと
思えたのは、山本七平とか養老孟司かな。
特に山本七平の著作に関しては
怪しげな部分が多々あるが、
その辺りは博覧強記ということばの
もとにスルーされている。
養老孟司も私はちと気に入らないけどね。

とりあえず金色夜叉を読んでみるかな。

さて、正剛先生はこの本について
こう言っているのさ。

PS とりあえず高村光太郎はNGだなw
      結構勝手で酷いヤツに思える。