千夜千冊千枚通(0004/1508):第0076夜:「のり平のパーッといきましょう」 | 好奇心のままに(走る、読む、見る、聴く)
- のり平のパーッといきましょう/小学館

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三木のり平っていうと、調子がよくって適当で、
ってイメージがあるな。まさにこの本の題名の
イメージ。でよく考えてみると桃屋の
コマーシャルのイメージしかない。
この人はどう生きた人なんだろう。
という疑問にはある程度答えてくれる本だな。
いろんなことがわかる。本名が則子(ただし)で
あること。お妾さんの子だったこと。
子どもの頃から抜群に絵がうまかったこと。
戦後は喰えなくてヤクザになっていたこと、
そのため入れ墨までしていたこと。
妻が芸能一家出身で、その人脈から運が
開けて行ったこと。
一言居士で、芸能について、演技について
喜劇について、確固とした意見を持って
いたこと。
なんて話が、のり平自身の語り口で
語られる。読んでいると若干しゃがれた
のり平自身がぼそぼそっと話している。
声が聞こえるようだ。この辺りは編集の
腕なんだろうな。
気軽に読めそうだというだけで選んだ
本だけど、400ページを越える大作で
読み応えがあったな。
正剛氏はこんなことを書いている。

