[フレイザー 永橋 卓介   岩波書店; 改版 (1967/01)]
[266p/978-4003421659]

[火祭り、再びネミ、外魂、寄生木、ドルイード、焚殺、千1199]

[岩波文庫 34-216-5][初図][017]

諸般の都合で(二)の次に(五)を読んでみた。
ネミからはじまって、5巻を通して膨大な量の
風俗や物語にあたったあと、最後にはやはりネミに
戻ってきた。発散しまくった話の体裁を取ろうと
した意図が見え見えだが、それはそれでいい。

むしろよくもこれだけ雑多な話を集めてきたなと
感動させてくれる。本書でも外魂に関する
話が面白かった。外魂というのは怪物なり魔法使いなり
巨人なりがどんなに攻撃しても死なないこと。
その秘密は、自分の魂を小鳥とか、魚とか別の生物の
中にかくしているため。この話の落としどころは
探すのが困難というか事実上不可能な異形のものの
生命をつかさどる動物を主人公が探し出して
退治してしまうところかな。そんな話をこの本では
山ほど紹介してくれるし、同じ発想に基づく
世界各地における奇妙な風習も目白押しになっている。

ということで、次は3巻にもどってみるか。