先月の末、ウクライナ戦争を巡って

欧米ではロシア軍が核兵器を使用する

のではないかという疑いがありました。

 

この疑惑に対してロシアの報道官である

ドミトリー・ペスコフ氏は

 

「自国の存在が極めて脅かされた時にしか

使わない」と返答し、以降、この問題は

解決済みとして後追いされなくなった

ように感じます。

 

 

 

このニュース、

イギリスのロイター通信や

フランスのフランス通信では

 

ご覧の通り、

「Would only use」と表現されており、

 

フランス通信に至っては

アメリカの識者の見解を引用しつつ

この疑惑を否定しているのですが

 

 

 

日本の新聞記事を読むと、

ロシアが今回の戦争で

核兵器を使用する可能性がある

 

という全く逆の内容になっている

んですね。

 

 

 

 

実際には

このように「他の要因は記されていない」

と断固として否定したのですが、

 

Would only useという言葉の意味が

わからなかったのか・・・

何故か逆の意味に書き換えたんです。

 

(なお、この記事は

 現在まで誤報として訂正されていません)

 

 

 

同じく、先月14日には

ロシア軍がウクライナ西部にある

軍事演習所を攻撃した際に

アメリカは

 

 

 

 

同施設は軍事演習所ではなく

国際平和維持・安全保障センター

だと非難の言葉を送りましたが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このニュースを日本の新聞が報じると

 

軍事訓練施設

「国際平和維持安全保障センター」

という風になるんですよ。

 

 

繰り返しますが、アメリカは

空爆された箇所は軍事施設ではない、

平和維持安全保障センターだと

訂正を求めていたわけです。

 

軍事施設の名前が

平和維持安全保障センターだと

言ったわけではありません。

 

しかも、このニュースは

複数の全国紙が複数の記者によって

チェックされて報じられたものです。

 

こんな単純なミスにすら

気付けないんですよね。

 

ちなみに

この記事も訂正はされていません。

 

 

 

他にも先月の4日、

サボリージャ原発付近の施設が

攻撃を受けた際にも、海外では

 

主体が誰かは確認ができない、

使用には小型の武器が用いられたという

認識が持たれていましたが

 

 

 

 

 

日本ではロシア軍の攻撃であると

断定するんです。

 

根拠は「ウクライナ政府が

そう言っているから」。

 

ここで注目すべきは

「人類史上初」というフレーズで

 

 

 

 

 

毎日新聞は姑息にも「稼働中の」と

予防線を張っているのですが、

 

実は原発施設への攻撃は1981年に

すでに行われているんですよ。

 

(朝日新聞は

 「前例のない暴挙」と書いているが)

 

このことは当時の日本政府も

非難の声明文を送っています。

 

 

この「史上初」という言葉は

一体、どこから浮上したのかというと、

ゼレンスキー大統領が

当時、そう言っていたんです。

 

つまり、ゼレンスキーの言葉を

コピペして書いたから、こんな杜撰な

表現になったわけです。

 

 

極めつきが先月初旬に

マリウポリ市内で起きた

病院空爆報道。

 

毎日のように朝から晩まで

テレビで流していたので

知らない人は少ないように感じます。

 

 

 

 

 

 

この時、私は

 

「なんで普通に立って

 スタスタ歩いている人が

 担架で運ばれているんだろうか?

 

 こういうのって歩けない人が

 乗せられるのでは?」

 

とか

 

 

「空爆を受けたわりには

 全然、顔や服が汚れてないな」

 

とか

「救急車が来ているのに

 消防車は来てないのは何故?

 火災が起きていたはずなのに」

 

という小さな疑問を持っていたのですが、

まぁ、この時は決定的な証拠がなかった

ので、口には出してなかったんですね。

 

 

 

 

 

ただ、情報が錯綜していたのは

確かで、BBCでは例の妊婦が

無事出産したと報じていたのに

 

 

 

 

別のメディアでは

死亡したと報じられていた

のですね。

 

ちなみに死産で

骨盤が潰れた母親はそのまま

意識不明のまま亡くなった

と言われていました。

 

 

 

ところが、フランスで

ゼレンスキーが演説をした時には

意識があったことになっていて、

 

「このまま死なせてほしいと

言っていた」と二転三転しているのでね。

 

いったい、この妊婦は

生きているのか死んでいるのか?

 

 

 

 

 

 

そういうモヤモヤした気持ちでいたら

 

ロシア軍が食料を配っている動画の中に

彼女らしき女性が映っていて、その直後、

 

メディアに露出して

「空爆はなかった」という証言を

 してきたんですよ。

 

日本語訳したものがあるので

クリックしてみると良いと思います。

 

 

 

このインタビューの中で

彼女は病院が臨時の基地にされた

ことを話しましたが

 

 

 

 

 

これはロシア政府が

事件前に公開していた写真の

内容と一致しています。

 

(ロシア政府は

 病院はウクライナ軍が占拠していた。

 だから報道はフェイクだと主張した)

 

 

 

また、この病院や学校を占拠して

住民に立ち退きを命じるのは

 

先日、紹介したランカスターの動画の

内容とも合致します。

 

 

 

ウクライナ西部でも

学校を臨時の基地にしていると

日本の記者が美談風に報じていましたし、

 

この行動は軍の方針だと解釈して良いのでは

と感じます。

 

 

 

このケガについての説明も

顔から血を流しながらも

スタスタ歩いていた

あの写真の内容と合致していますね。

 

 

その後も続けて聞いていくと

 

 

 

 

 

 

空爆はなかったということ、

 

 

 

 

 

 

兵士の中にAP通信の記者がいた

ことを話しています。

 

 

 

確認してみると

確かに写真はAP通信が撮った

ものなんですよね。

 

そして

ここが肝心なのですが

 

 

 

死亡した女性=担架に

乗せられていた女性は別人だと

証言しているんですね。

 

この発言を聞いて、

あーだから死んだとか生きている

とか言われていたのかと

謎が氷解しました。

 

さっきまでピンピンしていた人が

担架に乗せられるのは変だ

と思っていた私に答えを与えてくれた

ような・・・そんな気分です。

 

この女性は砲撃がウクライナ軍のものだ

ともロシア軍のものだとも言っていません。

 

地下にいたからわからないと話しています。

 

また、あの攻撃で確かに

ダメージを受けた人がいて

亡くなったことも訴えていて、

 

ウクライナ軍を困らせてやろう

という悪意は特に感じられません。

 

(もしそのつもりなら誇張して

 もっと激しく罵るでしょう)

 

 

 

この事件はゼレンスキーのお気にいりの

エピソードで、同事件を引用しながら

制裁や兵器の供給を世界各地で求めている

のですが

 

 

 

 

 

武器を売りたい国の通信者が

武器を買いたい国の軍に同行している

のは利害が一致していますし、

 

この事件そのものが

相当、胡散臭いものであることは

疑いようがないのではと思いますね。

 

 

 

 

 

ウクライナ軍が

都市そのものを要塞化して

=住民を巻きぞえにしていることは

アメリカのメディアでさえ言及している

ことです。

 

 

 

 

これはマリウポリ市内および

同市周辺地域に住む市民の声とも

矛盾しません。

 

 

この戦争について丹念に調べている

人間なら必ず気づくことだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

そもそも、ウクライナ軍が

事実上、東部をロシア領とみなして

爆撃しているのは八年前から一貫して

続いていたことで、

 

2月24日より少し前の時点でも

辺境の村が攻撃を受けています。

 

それを私達が知らないのは

日本のメディアが申し訳程度に

ベタ記事で報じて重要視しなかったから

です。

 

 

この動画では

「対テロ作戦」という名目で

 しょっちゅう爆撃されていることを

 村民が証言しています。

 

八年も続いていることを語っています。

 

 

 

 

プーチンはいつ来てくれるの?

いつになったら私達を助けてくれるの?

もうたくさん。涙が止まらないわ。

 

こういう言葉は大げさではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というのも当のウクライナ政府が

8年前から

ウクライナ東部(ドンバス)との

戦争は続いているという認識を前提に

欧米諸国に協力を仰いできたからです。

 

ロシアに対しても

「内政干渉するな」と発言していました。

 

これは内戦が起きている

という自覚がなければ言えないことです。

 

 

 

ゼレンスキーの前任者である

ポロシェンコも演説で

「私達は年金を受け取れるが

 彼らはそうではない」と語っていますが

 

 

 

 

 

 

 


 

 

この言葉どおり、

ウクライナ東部(DPR&LPR)は

経済制裁を受けてきたのですね。


8年の間ずっと。

 

ミンスク合意でも

この件は言及されていて、

 

同合意八条では

年金や給与の支払を復活させること、

 

その目的のために

紛争地域の銀行システムを回復させることを

はっきりと書いてあるんですよ。

 

 

じゃー、このお金がない人達は

どうやって暮らしてきたんだといえば

 

 

 

 

 

 


 

 

ロシアの支援を

受けてきたわけですよ。

 

 

JBpressの記事は2015年、

六辻さんの記事は2022年のものです。

 

重要なのは

どちらの記事もロシアを擁護するもの

ではないということ。

 

そういう立場の人間でさえ

はっきりとDPR&LPRが制裁を受けている

ことは認識しているんです。

 

(後日、語りますが

 クリミアも同様の制裁を受けています)

 

 

 

 

 

 

DPR&LPRの住民は

国際社会&ウクライナ政府から

分離を認められない

=ウクライナ国民としてあり続けろ

と圧力をかけられる一方で

 

人間の権利である

生命と生活の保障が全くされない人達です。

 

「世界秩序を揺るがす暴挙」とか

「隣国の領土を力で侵す行為」という

言葉は

 

そこに住む人達を

「傀儡(かいらい)だ」と非人間化する

心の上に成り立っていて

 

 

この戦争が内戦であることを

爆速で抹消することは

 

3月15日にドネツク市で起きた

ウクライナ軍によるミサイル攻撃を

頑なに報じない黙認の態度へとつながるのです。

 

もし、こうしたウクライナ軍の行いに対して

本気で国際社会が怒っていたならば

ロシア軍の進撃など無かったでしょう。

 

 

 

 

DPRの人々が受けた8年間の歴史を

テロリストという言葉で削除しなければ

3月15日の砲撃は無かった。

 

 

正直、今回の戦争で

最も許しがたいのはロシアを叩きたい

という個人的な目的のために

彼らを透明化した記者や知識人です。

 

 

 

 

 

事実、ロシア政府が

報道弾圧を始めたことに対して

日本中が狂ったように騒ぎましたが、

 

実はウクライナでは3年以上前から

そうなっていることを誰も書こうとしません。

 

臭いものに蓋。


私レベルですら

リアルタイムで知っていたニュースを

知らないということは無いと思います。



 

 

 

 

新聞記事やTwitterで

雨のように降り注ぐ罵声は

 

SAVE DONBASS PEOPLE

という言葉に彼らが応えなかった事実を、

聞こうともしなかった事実を

人々の記憶から流してしまいます。

 

 

もしロシアの代わりに

国際社会が彼らを守っていたら

何も起きなかったのではないだろうか。

そう思えてなりません。


(続く)