東証大引け、続落 欧州懸念が再燃、円高も重荷
東証大引け、東証大引け、続落 欧州懸念が再燃、円高も重荷
8,835.52 ▼ -152.87
始値 8,880.75
高値 8,946.00
安値 8,831.69
1日の東京株式市場で日経平均株価は続落。終値は前日比152円87銭(1.7%)安の8835円52銭だった。朝方は前日の米株式相場が大幅反落した流れを引き継ぎ、幅広い銘柄に売りが先行した。欧州債務問題への懸念の再燃や、米金融大手MFグローバル・ホールディングスの経営破綻が投資家心理を冷やした。売り一巡後は膠着感を強めたが、アジア株の軟調さや、対ドル、対ユーロでの円相場の強含みが重荷となった。大引けにかけて下げ幅を広げ、この日の安値圏で終えた。
ギリシャのパパンドレウ首相が31日、金融支援の条件となっている財政赤字削減策の受け入れの可否を決める国民投票を来年初めにも実施する考えを示した。市場では「欧州連合(EU)が27日合意した『包括戦略』の前提を覆しかねず、先行き懸念が強まった」(カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリスト)との声が聞かれた。大引けにかけての下げは「きょうの欧州株安を先取りする動き」(国内証券の情報担当者)との見方もあった。
午前に中国物流購入連合会(CFLP)が発表した10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は3カ月ぶりに悪化し、市場予想を下回った。中国関連銘柄とされるファナックなどが下げ幅を広げる場面があった。ただ、米国時間1日発表の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控え、投資家の様子見姿勢は強かった。東証1部の売買代金は概算で1兆0561億円、売買高は同14億6678万株と低調だった。
東証1部の値下がり銘柄数は、全体の6割強にあたる1095だった。値上がりは429、変わらずは138だった。
東証株価指数(TOPIX)も続落。業種別TOPIX(33業種)の値下がり率上位には「海運業」「証券商品先物」「ゴム製品」などが並んだ。
2012年3月期連結最終損益が4200億円の赤字になりそうだと発表したパナソニックが大幅安。対ユーロでの円の強含みが嫌気され、ソニーも売られた。トヨタ、スズキ、コマツ、富士フイルム、野村、三菱商が安い。半面、東芝、TDK、ルネサス、ガイシ、東電が買われた。
前日大引け後に4~9月期連結決算を発表したディーエヌエ、12年6月期の業績予想を上方修正したグリーのSNS(交流サイト)ゲーム関連の2銘柄が東証1部全体の売買代金ランキングで1、2位を占めた。ディーエヌエは20%安で取引を終え、グリーは小幅高だった。
東証2部株価指数は反落。ソディック、山洋電が下げ、マーベラスが上げた。〔日経QUICKニュース〕2011/11/1 15:35
