東証大引け、反発し9800円台 円安やGDP上振れで 輸出株に買い
東証大引け、反発し9800円台 円安やGDP上振れで 輸出株に買い
15日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、大引けは前週末比102円70銭(1.06%)高の9827円51銭だった。外国為替市場で円相場がドルやユーロに対して下落したことを好感し、精密機器や自動車など輸出関連株を中心に買われた。海外株と比べた日本株の出遅れ感を指摘する声が根強く聞かれる中、内閣府が発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP)速報値が前期比年率3.9%増と市場予想の平均(2.5%増)を大きく上回ったことも買い安心感につながった。
日経平均は後場一段高となった。上昇をけん引したのはソニーやトヨタなど主力の輸出関連株だ。ここにきてインドなど新興国の株式市場で調整機運が広がる中、出遅れ感を背景に一部の投機マネーが日本の主力株に向かった可能性を指摘する声があった。
ただ、商いは低調だった。東証1部の売買代金は概算で1兆486億円と、10月25日以来の低水準だった。円相場の行方を占う上で、今週は米国で重要な経済指標の発表など重要イベントが相次ぐため、結果を見極めたいとの雰囲気があったという。「今週予定されている米小売企業の決算発表で年末商戦に向けた経営陣のコメントも注目材料」(大和証券キャピタル・マーケッツの西村由美投資戦略部次長)との声もあった。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。業種別TOPIX(全33業種)は27業種が上げた。精密機器やその他製品、電気機器の上昇が目立った。半面、その他金融業や不動産業が下落した。
大引け時点の東証1部の売買高は概算で16億9166万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は全体の6割弱にあたる945、値下がりは549、変わらずは160だった。
京セラ、東エレク、TDK、テルモ、ホンダが高い。ファストリ、ファナックも上げた。郵船、商船三井が買われた。半面、住友鉱、DOWAが下げた。三井不、菱地所、ソフトバンク、武田が売られた。
東証2部株価指数は小幅に3日続落した。AQインタ、稀元素、自部品が下げた。半面、山洋電、日精機が上げた。〔日経QUICKニュース〕 (11/15 15:27) NIKKEI NET
外為17時 円、反落し82円台後半 対ユーロは急反落113円台前半
15日の東京外国為替市場で円相場は反落した。17時時点では前週末の同時点に比べ94銭の円安・ドル高の1ドル=82円79~82銭近辺で推移している。米長期金利が上昇し、日米金利差が拡大するとの思惑から円売り・ドル買いが優勢だった。国内輸入企業の決済の円売り・ドル買いも膨らんだ。
目先の円安方向の節目と見られていた82円80銭台では損失限定の円売り・ドル買いが出た。円は82円98銭近辺まで下げ幅を広げ、83円台に迫った。10月7日以来およそ1カ月ぶりの安値水準だった。国内輸出企業の円買い・ドル売りが入り、円の下値を支えたようだ。
9~17時の円の高値は82円40銭近辺で、値幅は58銭程度だった。
円は対ユーロで急反落した。17時時点では同1円85銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=113円12~15銭近辺で推移している。欧州5カ国の財務相が12日、アイルランドで信用不安が広がっている問題で共同声明を発表。国債保有者に損失を求めない姿勢を示したため、欧州財政問題への不安が緩和し、円売り・ユーロ買いが出た。
ユーロは対ドルで6営業日ぶりに反発した。17時時点は同0.0067ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.3661~64ドル近辺で推移している。欧州財政問題への不安が和らぎ、ユーロ買いが進んだ。買い一巡後は持ち高調整のユーロ売り・ドル買いが出て伸び悩んだ。〔日経QUICKニュース〕 (11/15 17:39) NIKKEI NET