米国株、反発 ダウ10ドル高 雇用指標改善と追加緩和の効果期待で | 最新の経済・景気ニュースからおもしろニュースまで女性の視点でウオッチ!!!

米国株、反発 ダウ10ドル高 雇用指標改善と追加緩和の効果期待で

米国株、反発 ダウ10ドル高 雇用指標改善と追加緩和の効果期待で

【NQNニューヨーク=増永裕樹】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発した。終値は前日比10ドル29セント(0.1%)高の1万1357ドル04セントだった。朝方発表の週間の新規失業保険申請件数が前の週に比べ市場予想以上に減少。懸案の雇用環境に改善の兆しがみえ、市場の景況観を好転させた。追加金融緩和の効果への期待も根強く、相場を押し上げる一因となった。


 6日までの新規失業保険申請件数は季節調整済みで43万5000件と、前週の改定値に比べて2万4000件減少した。7000件程度の減少を見込んでいた市場予想と比べて大幅に改善。雇用環境が持ち直しているとの見方がじわりと広がり、市場では百貨店を含む消費循環銘柄などへの買いが勢いを増した。


 追加金融緩和への期待も相場を押し上げた。米連邦準備理事会(FRB)が14時に国債購入の日程を発表すると、緩和による流動性相場への期待が再浮上。ダウ平均は水準を切り上げた。前日に大幅下落した債券相場が持ち直し、金利が低下したことも市場の先行き波乱への警戒感を薄める要因となった。


 午前は欧州の財政不安や中国の金融引き締め懸念などを材料に売りが優勢で、ダウ平均は90ドル余り下げる場面があった。


 ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、終値は前日比15.80ポイント(0.6%)高の2578.78だった。


 業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「金融」や「エネルギー」など5業種が上げ、「公益」など5業種が下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約19億3000万株(同)だった。


 増益の7~9月期決算を発表したファッション大手ポロ・ラルフローレンが大幅上昇。ダウ平均構成銘柄では銀行大手のバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースの値上がりが目立った。


 一方、航空機大手ボーイングが大幅下落した。戦略商品である新型機の試験機が緊急着陸し、納期遅れへの警戒感が広がった。大株主の保有株売却を受け、需給悪化懸念から独立系運用会社大手のインベスコも下げた。 (11/11 7:18) NIKKEI NET