東証大引け、9700円台回復し3カ月ぶり高値 新興国関連に買い
東証大引け、9700円台回復し3カ月ぶり高値 新興国関連に買い
平成22年11月8日
9,732.92
▲ +106.93 (+1.111%)
始値 9,699.79
高値 9,737.01
安値 9,677.87
東証大引け、9700円台回復し3カ月ぶり高値 新興国関連に買い
8日の東京株式市場で日経平均株価は4営業日続伸した。終値は前週末に比べ106円93銭(1.11%)高の9732円92銭となり、7月28日以来、約3カ月ぶりの高値水準を回復した。日米の追加金融緩和策が引き続き好感されるなか、10月の米雇用統計改善を手掛かりに5日の米国株が続伸した流れを引き継いだ。円相場が1ドル=81円台前半にやや下げたことも追い風に、自動車など輸出関連株を中心とする資金流入が続いた。
相場をけん引したのは機械に代表される新興国関連の銘柄で、ファナックとコマツは連日で年初来高値を付けた。投資マネーの流入で新興国景気が拡大するとの思惑から、収益拡大を期待した買いが続いた。同様にユニチャームやサンリオが高値を更新し、大手海運株も堅調だった。
日経平均は前場に111円高の9737円まで上げる場面があった。ただ、前週末までの3営業日で計5%強上げ、急ピッチな上昇で短期の過熱感もくすぶった。今年半ばから続く狭いレンジの上限に近づき、9700円台では戻り待ちの売りが上値を抑えた。ほぼ一本調子で上げてきた欧米株の調整を警戒する声に加え、新興国についても「金融引き締めリスクを意識しておく必要がある」(ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長)との指摘もあり、買い急ぐ動きにはならなかった。
東証株価指数(TOPIX)は3営業日続伸し、10月7日以来の高値水準を回復した。業種別TOPIXは全33業種のうち27が上げ、上昇率上位には「石油石炭製品」「海運」「ガラス土石製品」が並んだ。
東証1部の売買代金は概算で1兆2141億円、売買高は同16億6650万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は全体の70%にあたる1156、値下がりは384、横ばいは120だった。
ホンダ、富士重、シャープが買われ、東エレク、SUMCOなど半導体関連の上げが目立った。5日に通期の業績見通しを引き上げたJXと旭硝子が大幅続伸し、ともに5%超上げた。一方で荏原や住友大阪が下げ、日水と石油資源は年初来安値を更新した。公的資金返済を目的とする上限6000億円の公募増資計画を5日発表したりそなHDは大幅続落し、連日で年初来安値になった。横浜銀など地銀株も安かった。
東証2部株価指数は続伸した。イノテック、山洋電が上げ、ラオックスが急反発した。半面、前週末に急騰した仁丹が大幅に下げた。〔日経QUICKニュース〕 (11/8 15:27) NIKKEI NET
外為17時 円、反落し81円台前半 国債利回り上昇でユーロ弱含み
2010/11/9 7:35現在(単位:円)
81.13 - 81.16
▼ - 0.06 ( - 0.074% )
8日の東京外国為替市場で、円相場は反落した。17時時点では前週末の同時点に比べ39銭の円安・ドル高の1ドル=81円19~22銭近辺で推移している。米雇用環境の緩やかな改善を背景にドルの買い戻しが優勢だった。米長期金利が上昇したことも円売り・ドル買いにつながった。
一方で、円とドルがユーロに対して買われたため、円相場は81円台前半を中心に膠着(こうちゃく)感を強めた。
財務省はこの日の朝方、7~9月期の為替介入実績を発表した。9月の為替介入は15日のみ。市場で想定通りの内容だったことから円相場への目立った反応は見られなかった。
9~17時の円の安値は81円44銭近辺、高値は81円14銭近辺で、値幅は30銭程度だった。
円は対ユーロで3営業日ぶりに大幅反発した。17時時点では同1円23銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=113円40~43銭近辺で推移している。ギリシャなど欧州の一部で国債の利回りが上昇し、欧州財政問題の再燃が意識され、ユーロが売られた。対ドルでユーロが弱含むと対円でのユーロ売りに拍車がかかり、上げ幅を拡大した。ユーロ売りの一巡後は113円台前半で小動きが続いた。
ユーロは対ドルで3営業日ぶりに大幅反落した。17時時点は同0.0220ドルのユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.3966~69ドル近辺で推移している。米雇用環境の改善や欧州の一部の国債利回りが上昇したことを手がかりにユーロ売り・ドル買いが優勢だった。心理的節目とされる1.40ドル近辺では損失限定のためのユーロ売り・ドル買いが出て、急速に下げ幅を広げた。〔日経QUICKニュース〕 (11/8 17:27) NIKKEI NET