米国株、ダウ3日ぶり小反発4ドル高 ナスダック半年ぶり高値も方向感欠く
米国株、ダウ3日ぶり小反発4ドル高 ナスダック半年ぶり高値も方向感欠く
【NQNニューヨーク=海老原真弓】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反発し、前日比4ドル54セント(0.0%)高の1万1118ドル49セントで終えた。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え様子見姿勢が強く、前日終値を挟み方向感に乏しかった。市場予想並みだった7~9月期の米実質国内総生産(GDP)を受けた相場の動きは限定的だった。ダウ平均は月間で約330ドル(3.1%)上昇した。
米商務省が朝方に発表したGDP(速報値)は前期に比べ年率で2.0%増加し、市場予想にほぼ一致した。個人消費は改善したが、米景気の回復ペースは低調で米連邦準備理事会(FRB)が追加緩和するとの観測を後退させるものではないとの受け止めがあった。
朝方発表した決算の内容が嫌気された石油大手シェブロンや製薬大手メルクが下げ、ダウ平均を押し下げた。10月の消費者態度指数(確報値、ミシガン大学調べ)は市場予想に反して低下。消費者心理の低迷が先行き不透明感を誘い、相場の重荷になった。ダウ平均は一時40ドル近く下げた一方、20ドル弱上昇する場面もあるなど狭い値幅での推移が続いた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら8日続伸し、0.04ポイント(0.0%)高の2507.41と、ほぼ横ばい圏ながら4月29日以来6カ月ぶりの高値で終えた。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「素材」「消費安定」など5業種が上昇。一方、「ヘルスケア」など5業種が下落した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約10億4000万株(速報値)、ナスダック市場は約20億4000万株(同)だった。
前日夕発表の決算で1株利益や売上高が市場予想を上回ったマイクロソフトやKLAテンコールが上昇。決算が市場予想を上回ったうえ、通期の1株利益見通しを上方修正した化粧品大手エスティローダーが急伸した。
1株利益が市場予想を下回ったシェブロンが2%超安と、ダウ平均の構成銘柄で下落率トップだった。売上高が市場予想に届かなかったメルクも下落。前日夕発表の決算で1株当たりの営業利益が市場予想を下回った保険大手メットライフが小安い。
イエメンから米国に向かった貨物機から不審な荷物が見つかったと伝わった貨物大手UPSが下落。同業のフェデックスも売られた。 (10/30 6:53) NIKKEI NET