「天真爛漫」それは永遠の憧れ。
なんの企みもなく本気で素直な女の子なんてきっとこの世に830人くらいしか
いないと思う。
世界の人口65億のうちの830人ぐらい。
ってことは日本にはそのうち何人が生息してるんだろう。
そんな計算でもなく見返りも求めない素直な人を「素素直人間」と呼ぶ。
「素直」でありそれが「素」であるところからそう命名した。
ここでビックニュース。
私はその幻と言われた「素素直人間」に会った事があります。
あまりの生息数の少なさに「天然記念物」であり「絶滅の危機」ともいわれている
貴重な人種である。
そしてその「素素直人間」を見たものは病がひとつ完治するとも言われている。
それくらい貴重な人種である。
(ちなみに私は反抗期あたりから気になっていた巻き爪が治りました)
彼女とは半年ほど一緒に喫茶店のウェイトレスをやらせていただいた。
まず出勤時の挨拶からすでに違った。
「おはようございまーすっ♪♪」(常に♪マーク2個は必須)
とにかく声がデカイ、そしてテンションも高い。
ワールドカップで日本が勝った次の日の小倉智昭の挨拶など比にならないほどの
元気の良さ。
彼女が出勤したであろうことは一緒に働く私たちのほか、店内のお客さん全員が
確認できた。それほどの腹式呼吸だった。
そして誰もがすがすがしくなる気持ちのよい挨拶だった。
彼女の挨拶を聞くたびに行ったことのない那須高原の風が頬をなでた。更に脳内では
搾りたてのミルクだけで作られたソフトクリームを食べた。
とにかく彼女は思ったことがそのまま行動に出る。
挨拶が気持ちいいのも「挨拶は気持ちよく」というのがそのまま出た結果だ。
脳直結の行動派。
例えば普通の女子なら「屁をこきたい→でもここじゃ音も目立つし、上手にすかせたとしても
匂いは嘘をつけないな→いったん屁に帰っていただきまたのちほどにする」
というところでもきっと彼女なら屁をこいたはず。
あれ?これ例え悪くない?
とにかく真ん中の工程が無いのです。
「屁をこきたい→こきました」
そこにはなんのヒネリも計算も無い。もちろん人に媚びることも無い。
こきたきゃこけよ。こけば分かるさ。サン・ニー・イチ・ブー!である。
いやぁ、気持ちがいいよね。天真爛漫だよね。
そんな彼女がある日彼氏と海水浴に行ったと嬉しそうに写真を見せてくれた。
その写真を見ると水着を着て両手で股間を押さえて苦しそうにしている彼女が写っていた。
彼氏が撮ってくれた写真だという。
「なんで股間おさえてんの?」
「オシッコが漏れそうだったの♪♪」
立派に成人を迎えた婦女子がオシッコが漏れそうだからといって股間を両手でおさえても
いいとは知らなかった。
だって今までトイレとかが混んでいても股間を両手で押さえながら待っている成人女子は
いなかったから。
しかも水着だし、彼氏の目の前だし。
いやぁ、気持ちがいいよね。天真爛漫だよね。
オシッコが漏れそうなんだもん手で押さえたらいいじゃない?そりゃそうだ。
「まさかジャンプしてないよね?」
「あ、ピョンピョン飛んでたよ♪♪」
いいんだ。股間を両手で押さえたまんまピョンピョン飛んでもいいんだ。
なんだ簡単なことだったんだ。ハハハ。
そんな彼女がみんなで普通の日常会話をしていた時に突然発表したことがこれだ。
「私昨日、お尻の穴に指を入れてみたよ♪♪」
満面の笑みである。
なんでこのタイミングで発表したのかは分からなかったけども、きっと言いたかったから
言っただけなのだ。そこにはタイミングを計るという行為ももちろん無い。
そしてナゼ入れたのかという説明も無かった。入れてみたかったから入れたに違いない。
「でも恐くて第一関節までしかいけなかった♪♪」
付け根までいったところでどうだろう?とは思ったけど面倒くさいので何も聞かなかった。
ただただ彼女は嬉しそうに発表してくれたのでみんなもつられてすがすがしかった。
いやぁなにしろ気持ちがいいよね。天真爛漫だよね。
とにかく私はそんな彼女にずっと憧れていた。あんな風に何も考えずに素直になれたら
素敵だなぁと本気で思っていた。
ところが私の好きな男子が始めて彼女を見た感想はこうだった。
「あのガサツな娘は誰?」
ビックリして尻餅をつきそうになった。三枝ばりに座ってる椅子ごとひっくり返ろうかと
思ったけど山瀬がいないのでやめた。
「天真爛漫」と「ガサツ」がイコールで結ばれようとは。そんな紙一重だったとは。
「天真爛漫」が男子にモテルとも思っていた私はそうでもないことに初めて気付いたのだった。
GA・SA・TU。私の辞書の「天真爛漫」の横に太字で刻まれた言葉。
「天真爛漫な人」に贈る一言
オブラートで包むとお薬も飲みやすいそうですよ