急性骨髄性白血病は、化学療法や骨髄移植をしても再発する可能性が高く、再発すると化学療法で使える薬が極めて限られてしまいます。

 

一方で、最初の化学療法で寛解する割合は一般的に80%。 なので、骨髄性白血病は、最初は抗がん剤が効くが、再発すると白血病細胞が耐性を獲得していて効かなくなるということが非常に重要な問題でした。

 

この耐性について、2つの研究成果を紹介します。

 

1つは、2017年12月にInstituto de Medicina Molecularの研究グループにより

発表されたもの。

 

白血がん細胞にあるEndothelial Vascular Growth Factor (VEGF)が活性化し、ミトコンドリアレベルでの代謝変異を起こし、白血がん細胞が抗がん剤に耐性を獲得するというもの。

 

研究グループは、マウス実験でこのVEGFのシグナル経路を阻害したところ、再び白血がん細胞に対して抗がん剤が効くようになることを確認したとうもの。

 

2つめは、2017年7月に、Medway School of Pharmacyの研究グループが発表したもの。

 

白血癌細胞には、 特異的な (健全な細胞にはない)latrophilin 1 (LPHN1).が発現していて、これがLasso/teneurin-2や fibronectin leucine rich transmembrane protein 3 (FLRT3)と結合すると、galectin-9が分泌され、T細胞やNK細胞が活性化するために必要なIL-2を阻害してしまい、T細胞やNK細胞が機能を果たせなくなるというもの。

 

従って、LPHN1のシグナル経路を阻害してあげれば、患者の免疫システムが機能するようになるだろう、というもの。

 

AMLにはFLT-3変異(midostaurin: Rarydapt) やIDH1/2変異(enasidenib)などを標的とした分子薬が出始めていますが、もう少し一般的な標的の確立が待ち望まれているところ

 

このような研究成果が、実際の新薬として治療に使えるようになる日が早く来るとよいですが。