0.はじめに
沸石の産地として、菱沸石、灰十字沸石、トムソン沸石、方沸石などの産地として知られている。一度は採集に行きたいと思いながら、全然いかなかった。友人に誘われたので行くことにした。けれど、別な友人には行っても何も採れないよと言われていたのであまり期待しないことにした。
1.産地へ
この産地は松原先生の本で紹介されている。(参考1)
当日は、家を出るときには雨模様であったが、予報では天気が回復予定だったので、採集に行くことに。予報では午前中に雨が上がると言っていた。しかし生憎、天気の回復が遅くて、到着しても雨模様で近くの御堂を見たり、吉見百穴を遠めに眺めたり、しばらくマックでのんびり時間を潰したりした。その間に雨が止んだので採集となりました。
当地は、角閃石の変成岩が露出しているところで、岩は風化などしているので少し脆い。叩くと時折固い岩もあるが、比較的簡単に割れる。案内をしてくれたベテランのT師は、以前は沸石がそのへんのそこここに転がっていたのですぐに採集できたというが、今は白い筋状のものが岩のどころどころに見えるが沸石らしいものが転がっているという状況ではなく、全然見えない。それでも3時間ほど丹念に岩を叩き割っているとその中にある空洞の中に沸石が現れる。とにかく空洞を求めて石を丹念に割って探すしかなかった。
これが結構いい運動になった。ハンマーを何回も振り回したので、最初はちょいと寒いと思ったが、石を割っている間に体が温まり、出発時には体調が悪かったのが治って、頗る調子がよくなった。
2.採集できた石
石を割っている仲間のうちで最初に最初に見つけたのはT師。さすが目の付け所が違う。見せてもらうと灰十字沸石の3㎜ほどの透明な単晶がコロンと寝転がって、その周りにも将棋の頭のような結晶がいくつか。流石でした。いいものを見させていただきました。この石はI女史の懐に収まりました。
なんとなく大きな岩を丹念に割りまくると結構小さめの晶洞がいくつか見つかり沸石も、それでようやく採集のポイントを抑えた感じ。菱沸石、灰十字沸石は小さいながらも採集でき、結局いくつか石を拾ってきました。
もう帰ろうかという頃に、別のI2女史がトムソン沸石を採集。これも小さいながら見事なものでした。やっぱり丹念に採集しないといけないなとつくづく思いました。
で、自分はというとまだ整理がついてないので写真はまだです。そのうちに追加しましょう。
3.おまけ
沸石は、主にNa,Ca,Al,Si,Oを基本組成として水を含む鉱物なので、組成が類似していて、なかなか判定が困難な鉱物だ。結晶としてはなかなか面白いものがたくさんあるが。
参考になる本として、参考2があるが絶版で入手が難しい。参考になる文献として、参考6がある。読み物の感じの軽い、判らなくて当たり前の感じで読まないと読み込めない。
さらに、沸石については、英文のものに参考3,4があり、データベースとして、参考5があるが、専門的過ぎてお手上げだ。
沸石入門の軽い、分かりやすい本はないものだろうか。ちなみに参考4はPDFファイルとしてネットで入手できる。
参考
1.松原聰,鉱物ウォーキングガイド,p80-84,丸善(2005)
2.加藤昭,沸石読本,関東鉱物同好会(1997)
3.G.Gottardi、E.Galli,Natural Zeolites,Springer-Verlag (1985)
4.R.W.Tschernich,Zeolites og the World,Geoscience Pres Inc.(1992)
こちらの本は、全文をネットに公開されており、PDFで入手可能です。 → こちら
5.沸石について詳しく知りたい人は、以下の英文サイトなども
→ こちら
6.松原聰,岩石鉱物科学,v31,p261-267(2002)