本日の読書感想文


これからの本屋読本

内沼晋太郎




あらすじ 


著者の内沼晋太郎さんは、ブック・コーディネーター/クリエイティブ・ディレクターという肩書きを持っています。


本にまつわるあらゆるプロジェクトの企画やディレクションを行ってらっしゃいます。


そんな著書が本の仕事をしながら本屋について考えてきたことを、本と本屋を愛する人たちに伝えるべく描かれたのがこの本です。





本と本屋の魅力

本屋の魅力とは
本屋を一周するのは、世界を一周するようなもの

1冊1冊それぞれの本には、著者が人生をかけて取り組んだ何かが書かれていたり、世界のあらゆることについて書かれていたりする。情報、知識の宝庫である。

また本屋に立ち寄るだけで、著者をはじめ、あらゆる国のあらゆるタイプの人、もう死んでしまった人にも会える。人との出会いの場でもある。

さらに本屋は、目的の本を見つけて買うこともできるうえ、偶然新しい興味に出会うこともできる。思いもよらない刺激を受けにいくカルチャーセンターでもある。

本屋はどこも一緒、ではない。
それぞれの店に個性がある。

日々新しい本が届けられるなか、どのような本を選びどうやって並べるか。どこまでコントロールを効かせるか。
それは本を仕入れ陳列する書店員の個性が大きく関与している。

だから近所の本屋だけではなく、遠くの本屋に足を伸ばす楽しさもある。

本屋は「場所」と言うよりも「人」を指す言葉であり、「本を揃えて売買する人」あるいは「本を専門としている人」のことである


本は定義できない
本とはなにか。
ISBNがついているもの?出版流通に載っているもの?電子書籍は?
もはや読み得るすべてのものが使う本と言えるのではないか。

いわゆる循環定義であることを承知で書くなら、狭義の本は「多くの人が本だと認めるもの」、広義の本は、「本屋本人が本だと認めるもの」、あるいは「本屋が中心的な商品として、積極的に扱いたいと考えているもの」とするのが良い、と僕は考えている。(85ページ) 


本屋になるとはどういうことか
本屋で生計を立てると言うのは、どちらかと言えば厳しいことが最初からわかっている。

本を揃えて売買したり、本を専門として生きていくのであれば、生計を立てなくても本屋といえるのでは。
たとえば、子供に本を選んで手渡す親は、広い意味で「本屋」と捉えることができる。

それでも、あえて店舗をかまえて紙の本を選んで届ける「本屋」の意義とは
本をできるだけ誠実に、意志を持って差し出せそうな本を選ぶこと。
その「本屋」を信頼したお客さんが、その世界に身を置いて出会う偶然を楽しむ。
そのような体験を生み出すことではないだろうか。




小さな本屋を続けるための考え方


本を仕入れる方法
新刊書籍を仕入れるための取り次ぎ会社の仕組みや、深い契約の仕方、使える本を仕入れる4つの方法など、本屋を始めるための具体的な仕入れ方法が書かれてあります。


小売業としての本屋
使ってどのような立地で、どんなお客さんをターゲットにして、営業時間はどうするかなど、基本的な検討項目について説明してあります。


本屋で生計を立てていくために
  • ダウンサイジングする
人を雇わず、自宅を兼ねて、小さな本屋を開く。見渡せるサイズの本屋で、オリジナルの世界観を作り込む。

  • 本屋と掛け算する
本屋×飲食業、本屋×教室、本屋かけるギャラリーなど、本屋は何とでも掛け算しやすい。


生計を立てない本屋の模索
  • 本業に取り込む方法
社内で事業内容に関連した書籍の書店を経営する、美容室の鏡ごとにライブラリを作る、周辺住民のためのライブラリを運営するなど

  • 本業から切り離して本屋として生きる方法
イベントに出店する、インターネットで活動するなど


グッときたポイント 


本を売買したり、専門的な知識がなくても


本を選んで手渡す人と受け取る人の関係が成立すれば、手渡す側は「本屋」だと定義したうえで


「一番身近な本屋は親」

と説明があり、なるほど確かにと思いました。


わたしも小学一年生の頃には

すでに読書が好きでした。


教室にある本を何回も読み

お風呂で湯船に浸かっているとき

親に本の内容を朗読していたほどです。


幼い頃の読書好きは、

絵本や紙芝居を読んでもらう機会が

たまたまあったせいかなと思います。


しかし、それから現在に至るまで

ずっと本好きなのは


母親が本屋でパートをしており

本が身近にあったこと、

両親も本を読んでいたこと、

が影響しているなと感じます。


また今になって親に感謝したいのは、

幼い頃から子ども向けの本だけでなく

親が読んだ小説なども読ませてくれたこと。


小学生高学年頃には、親と同じように

赤川次郎さんの杉原爽香シリーズや

横山秀夫さん、貫井徳郎さんの本を

読んでいました。

(今思えば推理物ばかりだ。笑)


読んでいて理解できないところも

読めない漢字もあったはずですが、

30歳近くなる今でも

当時読んだ本のストーリーや

面白かったところを覚えています。


素敵な本は年齢も超える。

そして両親はわたしにとっての「本屋」だったのだなと気付かされました。


この本を読んであらためて、


この本が定義するような「本屋」さん


つまり人生をちょっと楽しくするような

素敵な本を広め、お渡しできる人

になりたいなぁと思いました。


こんな人におすすめ 


  • 本、本屋が好きな人
  • 本屋さんになりたい人
  • 本屋業について知りたい人