東京には美味しいお店が本当にたくさんあります。
けれど「また行きたい」と思うお店は意外と少ないもの。
一度きりの“話題店”ではなく、何度も足を運びたくなる店。
私にとってそのひとつが、白金のロッツォシチリアです。
1980年代後半から90年代前半にかけて、東京は空前の“イタメシブーム”に沸いていました。
その象徴的な1つが、恵比寿の名店「イル・ボッカローネ」。
イタリア人スタッフの「ボナセーラ!」という明るい挨拶、陽気な雰囲気、豪快な大皿料理に、
ワインを片手に夜な夜な人が集まりました。
ボッカローネはその後広尾天現寺に姉妹店のビスボッチャを作り、
広尾商店街のシェーキーズの跡地にボッカローネ出身のシルバーノがイルブッテロを
星条旗通りには同じくボッカローネ出身の石川シェフが ラベンズィーナをオープン。
石川シェフはその後、外苑前に南イタリア料理のトンマズィーノをオープンした後
青山学院そばにドンチッチョをオープンさせます。
この系譜からは、さらに多くの人気店が誕生しました。
NYのジャンジョルジュのスーシェフをつとめその後大活躍している
米澤文雄シェフもボッカローネの出身です。
ボッカローネの系列、
きっともっとあると思う。
「イル・ボッカローネ」は今も恵比寿で健在。
そしてそのDNAは今も東京のあちこちで息づいています。
そしてこのロッツォシチリアはベンズィーナで働いていた中村シェフが
サービスの阿部さんと作ったシチリア料理のお店です。
ボッカローネDNAのシチリア料理最終進化系がこのお店です!
シチリアといえば欠かせないのがナスのカポナータ。
甘酸っぱくとろけるようなナスに、ハーブとトマトの香りがふわっと広がります✨
パレルモのパネッレは、ひよこ豆の素朴な風味とカリッとした衣が良い。
これをつまみに泡を飲むと、もう止まりません。
この日ははなれの方のカウンターでまずはアペリティーボ。
佐島たこと万願寺、焼きなす、オリーブのマリネ
れんこんと椎茸のフリット。
まだ暑かったこの日は最初はアペロールスプリッツァだったのだけど
次は白で!
ここはシチリア産ワインの輸入にも力を入れ、
日本でシチリアワイン文化を広めた立役者の一店です。
シチリアの土着ぶどうで造られた白ワイン。
阿部さんのしっかりと分かりやすい、
軽妙な説明を聞きながら決めた
シチリアの海風のミネラルを感じられる1杯。
魚介たっぷりな熱々のクスクス
ここからお席が空いたので本店の方へ移動。
皆の共通の友達に連絡したらお芝居を見終わった後
ちょうど1人で銀座でフレンチ食べてるっていうので召集をかける笑
お肉だったからサンジョベーゼに!
さいごは金華豚ロースト!
終盤には、もう完全に「ロッツォタイム」🎶
夜も更けるころには、店全体が笑い声で包まれます。
みんなで乾杯🥂
シェフもソムリエも交えてグラスを掲げ、
みんなで大笑いし楽しい時間を過ごしました!
この日は帰れなくなった2人をうちに泊めました笑
まるで大学生のようです笑
そして昨日は、友人の花の個展のあと、
気づけばまたロッツォへ。
どんな夜も結局ここに戻ってきたくなります。
まずは泡
フランチャコルタばかりではつまらないから
ピノグリージョで!
いつものナスのカポナータとひよこまめのパネッレ
4人で1本、あっという間に泡がなくなる。
もう白 早い笑
3本候補を持って来てくれて
それぞれの物語を聞きます。
シチリアの土着ぶどう、グリッロに。
せっかくイタリアンへ来たのだから
絶対土着の地ぶどう単一が飲みたい私たち。
郷土料理と地ぶどうのワインが一番イタリアを感じられます🇮🇹
剣先イカの炭火焼き
これが絶品!
普通イカを捌いたら水で徹底的に洗い塩をしちゃうところを我慢
だから水分が保たれていてぶっくりと厚くジューシーな身に。
スペシャリテ
鰯とウィキョウのパスタ
赤を持って来てくれ説明を聞く
阿部さんの説明は分かりやすい。
ワイン愛溢れてます。
可愛いエチケットのこの子にする
またもや面白そうな土着ぶどう。
シチリアのコリントネロ。
いちごみたいな甘い香りだけど味は甘いわけではなく。
ちょうどこの赤の生産者さんが来ていておしゃべりに華が咲く
スマホのカメラロールに入ってるシチリアの美しい景色
を見せてくれました。
全部フィルター加工無しの素晴らしい海の景色😍
ここで太陽をいっぱい浴びて育ったワインなんだ。
寒くなって来たから牛スネ肉の煮込みにしました。
結局、美味しいお料理というのは
奇をてらうことではなく、
基本に忠実に、正しい行程を丁寧に重ねていくこと。
それに尽きるのだと思います。
派手な演出や特別な調味料よりも、
素材の声をきちんと聞いてあげること。
丁寧に火を入れ、香りを重ねていくこと。
そうして生まれる一皿には、
どんな高級店にも負けない“美味しさ”があります。
さて、いつもの時間がやってきました。
食後酒、5杯は飲んだかな
でもちゃんとセーブ出来てシラフで帰ることができました!笑
シラフと思ってるのは自分だけ?笑
チーズもどれも美味しい😋
イタリアらしいタレッジオがたまらん。
この日も阿部さんの軽快なトークですっかり盛り上がり
楽しい夜になりました!
バブルの頃のイタメシブームを経験した人で
ここのお店を気に入ってる人は多く、
行くと必ず誰かに会います。
絶対会うって分かってるのに若い女の子連れてくる強者な男も笑
こんなに楽しいお店はなかなかないので
いつまでもあり続けて欲しいです。