抗がん剤治療が始まって最初のうちは

出てくる課題を一つひとつ乗り越えていくだけ

前向きな気持ちしかなかったんです。


「思ったより大丈夫そう

終わりがあることだし頑張れる」

そんな風にあまり辛さは感じませんでした。



でも、治療も8回中4回目が終わった頃

なんかちょっと疲れちゃったなぁって。


必死に息継ぎしながら泳いでたのに

なんだか苦しさに気づいちゃった感じ無気力


治療を続けていくことに対して

辛さを感じるようになりました。



当時は副作用も

抗がん剤治療後の数日だけで


翌週から次の治療までは

ほぼ普通に過ごせていたので


「もっと痛みや苦しさに耐えてる闘病中の方も

たくさんいるんだから。大したことないよ。」


お風呂に入る度に鏡に映る

ハゲ頭の自分を見て気持ちが滅入っては


「ハゲてるからって痛みもないし

大したことないでしょ」


自分に言い聞かせてみるものの

変わらず心は苦しいまま

虚しさを感じて涙がじわり。


また、抗がん剤治療が始まって

できないことを家族にお願いしたり

周りに理解や協力を得る場面も増えて


そんな時の優しい気遣いや

あたたかさに触れると

疲れた心にじんわり沁みて


嬉しくても悲しくても

ちょっとの刺激で涙が出てしまう

そんなメンタルよわよわな時期でした。