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あらすじ&概要
ハズブロ社のアクションフィギュアをもとに映画化した「G.I.ジョー」(2009)のシリーズ第2作。パキスタンで極秘任務にあたっていた国際機密部隊「G.I.ジョー」は、米大統領の裏切りにより組織解体の危機にさらされる。「G.I.ジョー」の弱体化を受け、テロ組織「コブラ」が再び勢力を拡大。ロンドンをはじめとした大都市が陥落していく。孤立無援に追い込まれた「G.I.ジョー」は初代司令官ジョーをリーダーに迎え、世界の危機に立ち向かう。
デューク役のチャニング・テイタム、冷徹な暗殺者ストームシャドー役のイ・ビョンホンら前作から続投のキャストに加え、伝説の初代司令官ジョーにブルース・ウィリスが扮する。
(映画.comより引用)

2013年公開。
原題:G.I. Joe: Retaliation
(Retaliationは報復、仕返しといった意味。)



【★★★(3.0)】

呆気なく前作の主人公が退場。スネークアイズとストームシャドー大活躍…これが「2」なのか

ビッグバジェット、キャラ豊富、アクション豊富。だが詰め込み過多で散漫な印象



【感想】(※ネタバレあり※)

 さて、相変わらず前作に続いて怒涛の展開な映画
なので、焦点を登場人物グループごとに絞ってみていきましょう。

今回は、忍者チーム(スネークアイズ、ストームシャドーたち)、
ジョー生き残りチーム(ロード・ブロックたち3人と初代ジョー、その他)、
コブラチーム(敵さん)
この3チームに分けられます。


 まず、忍者チーム。
前作で死んだかに見えたストームシャドー(イ・ビョンホン)がけっこう普通に生きてます!


(画像でよく見ると前作でのスネークアイズ戦の物とおぼしき傷がうっすら)

だけど割とすぐ爆発により負傷…というアンバランスな強靭さ。
前はスネークアイズに斬られて刺されて北極の海に落ちたはずなのに…。
しかし今回もまたすぐ復活。

その元気の秘密は中盤で明らかになりますが、ズバリ東洋の神秘!(?)
オババ的な人の薬草とFUSHIGIで元通りになってたんですね。
NINJAやらなんやら東洋観がわかりやすくズレてるなぁ…

もう、このあたりでコミック的感覚で観なければいけないことがわかりますね。
とりわけアメリカに於けるコミックの在り方。子供向けな世界観だと。


それからそれから、スネークアイズ師匠と弟子のジンクスが
ストームシャドーを無力化して連れ帰ろうとするとデッドプールみたいな格好のNinjaがいっぱい出てきます。


スネークアイズさんは全身オール黒スーツですが


(よく見るとマスクの口元がクチっぽかった前作(下画像)からかなりリデザインされてますね)

連れのジンクス(ストームシャドーの従姉妹)はキックアス感があります


ストームシャドーさんの過去が明らかになり(なんかツッコミどころ満載なアッサリ展開ですが、いちいちツッコミ入れるの面倒なんで省略)、
スネークアイズと共闘します。

ベタベタなカンジがする「嵐影(ARASHIKAGE)一族」なんてホント子供向けエンターテイメントの雰囲気満載で良いですね。
嵐影=ストームシャドー




 さて次にジョー生き残りチームこと、他のG.I.ジョーメンバーですが、
ビックリしますが、けっこう呆気なく前作の主人公デューク(チャニング・テイタム)が早々の離脱

隊が全滅ーーみたいな場面なんですが、それにしても「え!?ホントにあれで死んでたんだ」といった具合の退場劇です。
(まぁ、コミックノリなので次回作で実は生きてて…があるかもですが)


で、今回は隊の生き残りとしてドウェイン・ジョンソンをはじめとする3人が活躍(前作にはいなかった人ばかり)
(左からフリント(D.J.コトローナ)、ロード・ブロック(ドウェイン・ジョンソン)、レディ・ジェイ(エイドリアンヌ・パリッキ))

いやーしかし、
すぐパキスタンやらドイツ、アメリカ、日本、カットが変わるといろんな国にポンポン場面が移って、「ジョー」の生き残りの3人がいつの間にかアメリカに戻ってきてたりとか、誰がどこの国にいるかとかちょっと見失う瞬間が多い映画です。



それからそれから
「軍の最高司令官がニセ者で俺たちを攻撃させたなら信用できる者はいない」
「1人いる "ジョー"の名を生んだ男だ」

カットが切り替わると初代"ジョー"の家に行って呼び鈴押してんの

さすがに「はーい」なんつって寝グセ頭で出てはこないけど(スキンヘッドだし)

ここは驚きました。
そして登場!
初代ジョーこと、ジョー・コルトン(ブルース・ウィリス)。


この役柄について本作の製作をつとめたロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラが
「初代G.I.ジョーであるジョー・コルトンは偶像的な存在だ。そしてブルース自身も偶像的な存在。だから、ブルースがこの役を演じるのは、映画ファンにとって凄くエキサイティングなことで、しかも極めて理にかなったキャスティングなんだ」
と語っている。

そう、ジョー・コルトンは、原作のコミックには名前が出てきてはいるものの、いままで完全に描かれたことのなかった謎多きキャラクター

しかし映像化されてしまうと、どっからどう見てもブルース・ウィリスである。
画像もマクレーン刑事に見えちゃう。

別に原作コミックファンでもない私にすれば不服なワケではないが、
正直「ええのんか?」とは思う。
謎多きキャラクターが皆が知ってるブルース・ウィリスでええのんか?と


まぁさておき、
ジョー・コルトンことブルース・ウィリスが活躍するのは111分ある作中、残り40分あたりから

そのあたりからは正直、メインキャラクター皆さん活躍の時間なので、彼が特別優秀だという描写は特にない

あるのは貫禄のみ
作戦も後輩たちの立てたやつだし。

その後は
スネークアイズとストームシャドーが共闘する様にグッときつつ、ロード・ブロックが駆る戦車の火薬多めの見せ場…などなどありつつ勝利。



 で、登場人物別のラスト。コブラチーム(敵)ですが、
かなりふわっとしてます

コブラコマンダー
ザルタン
ファイヤーフライ
この3人くらいなんですが、



コマンダーは覆面でダース・ベイダー卿風なんですが、「世界征服」というベタでふわっとした目標を掲げてホワイトハウスにコブラの旗立てたりして、どこかアホっぽいというか、ショッカー風なんですよね。
ゼウス作戦」とかの名称も昭和特撮っぽいですよね。
今回は特に超人的見せ場があるわけでもなく最後はヘリで逃げて終わり。

「何が望みなんだ」「私が望むのは全てだ」
目的がふわっとしてるんだよなぁ…。


ザルタンは前作で大統領に成り代わった変装の達人なんですが、何故か中盤でめっちゃ強いという設定まで与えられ、特にそれを発揮することなくストームシャドーにぶっ刺されて死亡

ファイヤーフライは武骨で見せ場もあるもののキャラ的に弱くて印象は弱め。
ロード・ブロックとガン・カタ対決するも最後は爆死。



 最後にストーリーと絡めて前作には出ていて今回オミットされた人たちについて。

デストロは私怨に狂うマッドサイエンティストとして良いキャラだったんですが、今回はコマンダーにクビを言い渡され早々に退場。

映画として、ストーリーとしても前作をあまり引きずらない作りにするためですかね。

デストロと因縁関係にある前作主人公デューク(チャニング・テイタム)も前述した通りあっさり退場。
デストロの姉でデュークの恋人(?)バロネスこと
アナは登場すらせず。話題にもあがらない。


前作を意識し過ぎず、デューク周りの話よりストームシャドーやスネークアイズら超人的人物を中枢に据えて、伝説の初代ジョーなどを絡ませる、よりヒーロー作品的に寄せるため。ですかね。

リップ・コードやホーク司令官なんかもオミットされてますしね。

前作スティーブン・ソマーズ監督からジョン・M・チュウ監督に代わったのは興行成績では当たったものの評価が低めだった前作から路線変更したかったからかもですね。

ハムナプトラなどブロックバスター大作モノで実績のあるソマーズ監督だけでヒットさせるというよりは、
製作総指揮ミッションインポッシブル/ゴーストプロトコルで製作総指揮にあたり大成功させたデヴィット・エリソンさん(スカイダンスプロダクションCEO)の起用と、
脚本を「ゾンビランド」で評価の高まるレット・リースとポール・ワーニックにして荒唐無稽なコミックものを見せ場を繋ぎつつストーリー立てて、ジョー隊と忍者チーム、そして合流。という流れにしようとしたんじゃないかと思われます。


しかし正直な感想としては中盤、忍者チームの見せ場や初代ジョーの家に隠された武器などアガる要素はあるものの、終盤あたりではそれぞれ活躍するものの一人一人の見せ場は小粒に感じられ全体の印象は散漫
もっと焦点を絞った見せ方が欲しかったかな~といったところ。

ストームシャドー=イ・ビョンホンは良かった。前作より更に。


続編もさらにありそうなので公開されたら観るかも。
なんだかんだいってツッコミどころのある昭和特撮ヒーローっぽい映画って正直大好物ですもん


以上。