坂東玉三郎京丹後特別舞踊公演 ③ | むばたまの夜の衣を返してぞ着る

むばたまの夜の衣を返してぞ着る

~いとせめて恋しきときはむばたまの夜の衣を返してぞ着る~
平安時代の歌人小野小町の歌から。
愛しい人にどうしようもなく会いたくてしかたのないときは、
寝間着を裏返して寝るわ
(寝間着を裏返して寝ると恋しい人の夢を見ることができるという説があったそうで)

「羽衣」
羽衣伝説のある土地の舞台で玉さまの天女!
もうそのことだけでわくわくが止まらない。漁師伯竜は坂東功一さん。
すっきりしたイケメン。ちょっと線が細いかな。(つい、前に自分の観た伯竜と比べてしまっていたかもね。ゴメンなさい)

玉さまの天女はまさしく天女そのもの。声も足の運びも手の動きも・・・坂東玉三郎という役者でなく、人間の女でもなくもちろん男では全く無く・・・。
「乙女の姿しばしとどめん」という気持ちがよくわかるドキドキ

羽衣を返してしまったら、「約束の舞を舞わずに天に帰っちゃうんでしょ?」と疑う伯竜は、
天女から「嘘は人間にあるものよ。天には偽りってものないんだから!」って言われて恥じ入るというところがこの演目の好きな場面。
玉さまの天女がこれを言うと、ほんとにそう聞こえて、伯竜だけでなく観ているこちらも疑ってばかりの日々を恥ずかしく思った照れ
そして、
玉三郎さんはやはり、人ではないお役のときが好きだなあと改めて思う。

スッポンやセリがないので最後のところは少し残念。でも、それは仕方ないよね、文化会館なのだから。
顔見世の時はスッポンから伯竜が下がり舞台上の松も下がるので、相対的に天女が上がる感じができていたっけ。
歌舞伎座では、伯竜がセリから下がって天女は花道を行く・・・という歌舞伎らしい演出だった。

天女の娘の一人が祀られているという乙女神社。
霧雨の山の中にひっそりとあった。
雰囲気は満点・・・・
でも、
お賽銭箱がなくてあせる
お参りだけしてきたけれど。
 
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