福助がポストに居座る地
本日も私はウクレレを奏でながら夜道を点検する。深夜3時である。
ヒトサライ楽団の様、しかし私は以前よりとても気掛かりであったモノを今日こそ点検せねばならない。
とある銭湯に備え付けてある郵便ポストの上に福助が居るのである。
この地方は銭湯発祥の地なのであり、其れゆえの過ちであろうか、前衛的で文化的、末期的赤ポストである。
この銭湯所有のモーターボートも奇怪なる様である。この川に沈めたくなるようなスタイリッシュな参橋式カスタム、投石上等、旗包みだサル!と言わんばかりのノボリが今夜もはためいている。
奇しくも今夜はペルセウス座流星群のピークであるのだ。灰色の雲!
そしてウクレレの音が止むのは辿り着いたからか、私の臆したウサギの心か。
私は今、福助の背中に立つ!
後ろから肩に触れてみる。
『ちょいと失礼、あなたは此処に留まってどれ位になられた』
とウクレレの音色で話しかけてみる。
福助の横顔は、肉々しい、隆起した頬の上に開く目玉は麻薬常習者の如くギラギラと潤んでいる。
頭上の街燈の明かりが福助の顔に生気をもたらす。
そしていま、福助と目が合った気がした。
私はウクレレを奏で、帰路につく。
硬直した指では演奏がお粗末になるのは必然。
背後が気になるのである。