シリアのアサド政権崩壊中

アメリカ戦争研究所の地図

●Iran Update, December 6, 2024

Institute for the Study of WarThe Bashar al Assad regime faces an existential threat given the widespread collapse of regime forces and lack of sufficient external backing to bolster these forces.

www.understandingwar.org

アメリカ政府は、アサド政権が崩壊寸前であるとリップサービスしている。

●米当局者、「アサド政権は崩壊間近」の見方　反体制派は首都ダマスカス入りか

米当局者、「アサド政権は崩壊間近」の見方　反体制派は首都ダマスカス入りかシリア反体制派の急速な侵攻を受け、米政権当局者らの間では、アサド政権は数日後にも崩壊する可能性があるとの見方が強まっている。米当局者５人がＣＮＮに語った。

www.cnn.co.jp

表題の通り、反政府勢力は、首都ダマスカス入りしたと。

「米当局者５人がＣＮＮに語った」

まず、アメリカの高官が指摘しているシリア軍の動きは、以下のものがある。

「政府軍が戦闘を継続せず、ほとんど抵抗していない状況」

ロシアなどの報道では、シリア軍がイラクに逃げ延びているそうだ。

●Iraq receives over 1,000 Syrian army troops ーーー media

Iraq receives over 1,000 Syrian army troops — mediaAccording to the Iraqi News Agency, "the soldiers were welcomed and provided with required assistance"

tass.com

「イラクがシリア軍1,000人以上を受け入れるとメディアが報じた。」

その情報源は、イラク通信社でイラクの治安当局筋から情報を得たもの。

CNNの報道と合わせると、アサド政権は、無理のない範囲でそのうち国外逃亡でもするのだろうと言える。

アサドに国外逃亡を助言しているところがある。

●シリア大統領に出国勧告か　中東諸国、支援に消極的―米紙

シリア大統領に出国勧告か　中東諸国、支援に消極的―米紙：時事ドットコム【イスタンブール時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（電子版）は６日、エジプトやヨルダンの当局者が内戦下のシリアで反体制派の大規模攻勢にさらされているアサド大統領に対し、出国して亡命政府を樹立するよう勧告していたと報じた。シリア治安当局者らの話として伝えた。アサド氏の反応は伝えられていない。

www.jiji.com

「米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（電子版）は６日、エジプトやヨルダンの当局者が内戦下のシリアで反体制派の大規模攻勢にさらされているアサド大統領に対し、出国して亡命政府を樹立するよう勧告していたと報じた。」

そんな状態でもロシアは、シリアに海軍基地などを保有している関係で反政府軍に爆撃をしている様子だ。

●Syrian, Russian aircraft strike militant sites in Homs province ーーー Syrian Defense Ministry

Syrian, Russian aircraft strike militant sites in Homs province — Syrian Defense MinistryThe forces killed dozens of terrorists, the ministry said

tass.com

「シリアとロシアの航空機がホムス県の過激派拠点を攻撃シリア国防省」

戦果は？

「シリアとロシアの軍用機がホムス県北東部のテロリストの密集地を攻撃し、数十人のテロリストとその車両や装備を殺害した」と述べた。」

反政府軍の進撃から見たら焼け石に水程度だ。

撤退しつつあるシリア軍が何をしているのかと言えば、ロシアの報道でも次のようにーーー

「部隊を再編成し反撃に備えるため、軍はアレッポから撤退」

ところが、すでにアサドがダマスカスにいないのか、反政府軍がダマスカス入りして探したところ、いなかったと。

「偵察隊が市内に入り、アサド大統領を捜したが見つからなかったという。」ーーーCNNが取材した情報筋。

その情報が正しいなら、実質、シリア政府軍は、無理のない範囲でアサドが国外逃亡するまでの時間稼ぎで動いているだけになる。

アサドはもうシリアにいない、ということだが、そのうち、ダマスカス陥落のニュースでアサド政権実質消滅だろう。

アサドが亡命政権作っても、その前に反政府勢力が新政権樹立して、トルコなどが承認するだろうし、シリアに基地を作っているロシアは、基地を維持できれば、無理に反政府軍と対立する必要はないだろう。

イスラエルにとっては、アサドから反政府軍に政権が代わっても、脅威ではないのか？ただ、シリアにトルコのエルドアンが大きく絡んでいる様子がある。

●シリア大統領に出国勧告か　中東諸国、支援に消極的―米紙

シリア大統領に出国勧告か　中東諸国、支援に消極的―米紙：時事ドットコム【イスタンブール時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（電子版）は６日、エジプトやヨルダンの当局者が内戦下のシリアで反体制派の大規模攻勢にさらされているアサド大統領に対し、出国して亡命政府を樹立するよう勧告していたと報じた。シリア治安当局者らの話として伝えた。アサド氏の反応は伝えられていない。

www.jiji.com

「アサド氏との関係が冷え込んでいるトルコのエルドアン大統領は６日、「アサド氏にはシリアの将来を話し合うため訪問を求めてきたが、前向きな回答が得られなかった」と指摘。反体制派の進攻については「問題なく続くことを願う」と述べ、容認する姿勢を示した。」

アサドの逃げ道は、エジプトとかヨルダンの様子だ。

アサドは、エルドアンから見放されていたわけである。ロシアの反政府軍に対する軍事作戦でも、本気を出してアサドを守っているようには見えない。

アサドが、シリアで捕らえられて処刑されるか、それとも国外に逃亡して権力者ズラを続けるのか、いずれにしてもアサド政権崩壊前夜だろうな。

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